プルタルコス · Plutarch
妬まれずに自分をほめることについて
On Praising Oneself Inoffensively
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底本
Plutarch. Plutarchi Chaeronensis Moralia, Vol. IΙI. Vernardakēs, Grēgorios N., editor. Leipzig: Teubner, 1891.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA (Perseus の利用条件による)
元ファイル: urn:cts:greekLit:tlg0007.tlg106.perseus-grc2
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翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
AI校閲 2026-09-22:検出 Gemini 3.8 Flash/判定 Gemini 3.8 Flash・GPT-6 Astra — 日本語訳 1 件・原文 5 件を修正
反映した修正(日本語訳と原文):AI校閲 6 件
最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
本書は、一般に嫌悪されがちな「自己称賛」という行為を、他者からの反感や嫉妬(ポノス / phthonos)を買うことなく、いかにして効果的かつ適切に行うかという実践的なレトリックと倫理を論じた作品です。著者は、ペリクレスやデモステネスといった歴史上の政治家や哲学者の豊富な具体例を引きながら、自己称賛が許容される状況やその政治的有用性を分析します。議論の前半では、告発に対する正当な自己弁護や、不当な不運に直面した際など、自己称賛が必要となる例外的な場面が提示されます。中盤では、聴衆への賛美を交えること、功績を運命や神に帰すること、あるいは自らの苦労や軽微な欠点を告白することによって、他者の嫉妬を回避する具体的な技術が解説されます。後半では、他者を鼓舞し、不遜な者を戒めるための有効な大言壮語について論じる一方、自己称賛が招く危険性と、称賛された時の自己節制の重要性を警告します。最終的に本作は、自己称賛を単なる虚栄心から切り離し、徳と公共の利益のために制御されるべき技術として描き出しています。
目次
8 チャンク
引用方式:section
- §1-2
自己称賛の弊害と政治家にとっての有用性
自己称賛は一般に嫌悪される一方で多くの者が陥るものであると指摘し、エウリピデスやピンダロスなどの例を挙げた上で、政治家が例外的に自己称賛を行うべき状況とその有用性について提示する。
- §3-4
虚栄の自己称賛の回避と自己弁護における正当性
名誉や他者を貶める目的での不適切な自己称賛を避けるべきとする一方、中傷や告発に対する正当な自己弁護の状況においては自己称賛が許容されることを、ペリクレスやエパメイノンダス、スキピオらの具体例を挙げて示す。
- §5-8
逆境にある者と不当な非難に対する自己称賛
著者は、不運な状況にある者、不当に扱われている政治家、そして自分の功績そのものを非難されている者が自己称賛を行うことの妥当性を論じる。さらに、告発された事柄の逆の卑劣さを示す対比の手法も自己称賛に有効であると説明する。
- §9-11
他者への賛美や運命への帰属による嫉妬の回避
デモステネスやエパメイノンダスの例を引き、自己称賛に聴衆への賛美を混ぜ合わせることで反感を避ける手法を説明する。さらに、他者の称賛を通じた間接的な自己アピールや、功績を運命や神に帰すことで嫉妬を免れる政治的配慮の重要性を論じる。
- §12-13
美徳の強調と欠点の告白による称賛の抑制
デモステネス、ペリクレス、アガトクレスなどの具体例を通じて、自己称賛が招く嫉妬を避けるために、外面的な名誉よりも内面的な美徳を強調すること、また軽微な過失や謙虚な出自を告白して称賛の度合いを修正・抑制する技法を論じる。
- §14-16
労苦の言及による嫉妬の回避と有益な誇示
著者は、自らの功績が多大な労苦によって得られたものであることを語ることで、嫉妬を回避できると説明する。また、他者を鼓舞し、あるいは不遜な者を戒めるために、有益な形で大言壮語や自己称賛を用いる手法を、古典的実例を引いて紹介する。
- §17-19
誤った称賛の是正と自己称賛を避けるべき状況
誤った価値観に基づく他者への称賛を正すための自己称賛の有効性と、その具体例(ゼノンやフォキオン、クラテスなど)について論じる。さらに、不適切な自己称賛を避けるための具体的な方法と、それが生じやすい状況や要因について分析を始める。
- §20-22
他者の非難に伴う自己称賛の戒めと自制
非難や告発の際に生じる自己称賛の危険性と、他者から称賛されたり挑発されたりした時の自己節制の重要性を述べ、自己称賛が他者に与える不快感と不名誉な結末を警告する。
