カルタゴのキュプリアヌス · Cyprian of Carthage
主の祈りについて
On the Lord's Prayer
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底本
Cyprian. Saint. S. Thasci Caecili Cypriani Opera omnia, Pars I (Corpus Scriptorum Ecclesiasticorum Latinorum, Volume 3.1). Hartel, Wilhelm von, editor. Vienna: Gerold, 1868.
原文データ出典
Open Greek and Latin · CC BY-SA 4.0
元ファイル: urn:cts:latinLit:stoa0104a.stoa015.opp-lat1
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翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
AI校閲 2026-09-22:検出 Gemini 3.8 Flash/判定 Gemini 3.8 Flash・GPT-6 Astra — 日本語訳 4 件・原文 16 件を修正
反映した修正(日本語訳と原文):AI校閲 20 件
最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
本書は、キリストが自ら授けた「主の祈り」について、その深い神学的意義と信徒が祈るべき態度を解説した信仰の指導書です。著者はまず、祈りが個人的な利益ではなく共同体の一致と平和のために捧げられる「公共の祈り」であるべきだと説き、謙虚で静粛な態度を求めます。続いて、「天におられる私たちの父よ」から始まる各請願を順に釈義し、日々の聖化、霊と肉体の調和、富への執着からの解放、そして他者を許すことによる和解の重要性を論じます。さらに、主の祈りが律法と預言の本質を簡潔に要約したものであることを示します。後半では、キリストの模範に倣って雑念を払い、施しや断食などの善行を伴わせながら、朝夕や日中の定められた時間に絶えず祈るという実践的な生活態度を提示して結びます。
目次
12 チャンク
引用方式:section
- §1-4
福音の掟と主の祈りにおける祈りの姿勢
福音の掟の計り知れない重要性を説き、キリストが自ら授けた祈りの模範(主の祈り)の意義と、祈る際に信徒が守るべき静粛かつ謙虚な態度について解説する。
- §5-8
謙虚な祈りの模範と共同体の祈りとしての主の祈り
アンナや徴税人の謙虚な祈りの姿勢を例に挙げた後、主の祈りの本文を提示し、それが個人的な利益ではなく、共同体全体の一致と平和のために捧げられるべき公共の祈りであることを説明する。
- §9-11
神を父と呼ぶ資格と神の子にふさわしい聖潔な生
主の祈りの冒頭「天におられる私たちの父よ」について、キリスト教徒が神を父と呼ぶ資格を得たこと、それが地上の人間関係を相対化すること、また不信仰なユダヤ人に対する非難となることを説き、ふさわしい聖潔な生き方を促す。
- §12-13
み名の聖化と御国の到来を願う祈り
主の祈りの「み名が聖とされますように」と「御国が来ますように」の請願を解説する。前者では信者における日々の聖化の必要性を説き、後者ではキリストご自身あるいは天国の速やかな到来と、そこから脱落しないための祈りの重要性を述べる。
- §14-16
みこころが天と地で行われることへの祈り
キプリアヌスは「みこころが天に行われるとおり地にも行われますように」という祈りの一節を解説し、それが人間自身の力ではなく神の助けによって神の意志を行うための願いであることを示す。また、天と地は人間の霊と肉体を表しており、それらが神の恵みによって調和し、霊的なものが肉的なものに打ち勝つように祈るべきだと説く。
- §17-19
未信者の救いの祈願と日用の糧の二重の意味
主の祈りの「みこころが行われますように」を未信者の救いの祈りとしても捉え直し、続く「日用の糧」を、キリストの体(聖体)の霊的な糧、および世俗的欲求を絶った日々の必要最小限の食物という二重の解釈で説明する。
- §20-22
富の危険と天の宝および罪の赦しの祈願
著者は富の持つ危険性と、それから解き放たれて天に宝を積むことの重要性を説き、義人に対する日々の食物の保証を聖書の例証から説明した後、主の祈りの罪の許しの請願が日々の罪への自覚を促すものであることを論じている。
- §23-25
兄弟間の和解と赦しおよび試練への祈願
著者は、他者を許す者だけが神の許しを得られるという祈りの掟を論じ、アベルの犠牲を引き合いに兄弟間の和解と平和の重要性を説く。さらに「誘惑に陥らせないでください」という懇願に関連して、悪しき者の権能は神の許しと人間の罪に応じてのみ与えられることを解説する。
- §26-28
悪からの救いの祈願と主の祈りの簡潔さ
神から与えられる権能の二面性と祈りにおける謙遜の必要性を説き、悪からの救いを願う結びの句を解説する。また、主の祈りが旧約の預言通りに律法と預言の本質を極めて簡潔に要約したものであることを示す。
- §29-31
キリストの祈りの模範と祈る際の心の集中
キリストが言葉だけでなく自らの模範と執り成しによって祈りを教えたことを説明し、私たちが祈る際には世俗の雑念をすべて払い除け、心を完全に神に集中させなければならないと説く。
- §32-34
善行を伴う祈りと三位一体を示す祈りの時
祈りには断食や施しといった善い行いが伴うべきであることを論じ、コルネリウスやトビア、イザヤの言葉を例に引く。さらに、三位一体の神秘を示す第三時、第六時、第九時の祈りの時間の意義について説明する。
- §35-36
朝夕の祈りと真の太陽であるキリストへの絶えざる祈り
伝統的な祈りの時間に加えて、朝と夜の祈りの意義が述べられ、キリストが真の太陽であるため信者は常に祈るべきであることが論じられる。
