カルタゴのキュプリアヌス · Cyprian of Carthage
嫉妬と羨望について
On Jealousy and Envy
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底本
Cyprian. Saint. S. Thasci Caecili Cypriani Opera omnia, Pars I (Corpus Scriptorum Ecclesiasticorum Latinorum, Volume 3.1). Hartel, Wilhelm von, editor. Vienna: Gerold, 1868.
原文データ出典
Open Greek and Latin · CC BY-SA 4.0
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要旨
本作は、カルタゴの司教キプリアヌスが信徒に向けて、軽視されがちだが極めて破壊的な悪徳である「妬みと羨み」の危険性を警告し、それを克服するよう説く神学的・倫理的著作です。著者はまず、悪魔が自らの嫉妬によって破滅し、人間をも罠に陥れたことを指摘します。さらに、カインやエサウ、サウルといった聖書における具体例を引きながら、妬みがあらゆる罪や不和の根源であることを論じます。続いて、この悪徳が魂を内側から蝕む暗闇の歩みであることを警告し、信徒に対して謙遜と愛、そして羊のような無垢さを保つよう促します。洗礼によって新しく生まれ変わったキリスト者は、肉的な争いを退け、キリストの天上の姿を身にまとって敵をも愛すべきであると主張されます。最後に著者は、悪魔の誘惑に対抗するために黙想、祈り、善行に励むことを勧め、嫉妬を捨てて愛と平和のうちに神の御前で正しい生活を送るよう呼びかけています。
目次
6 チャンク
引用方式:section
- §1-3
妬みと羨望の危険と悪魔の罠への警戒
キプリアヌスは、軽視されがちな「妬みと羨み」が魂を密かに蝕む恐ろしい罪であることを指摘し、悪魔の多種多様な誘惑や罠に警戒して立ち向かうよう、聖書の言葉を引用しつつ警告する。
- §4-6
悪魔の堕落と聖書に見る嫉妬の実例
悪魔がその嫉妒によって自ら滅び人間をも破滅させたこと、またカインやエサウ、ヨセフの兄弟たち、サウル、ユダヤ人などの聖書における妬みの実例を挙げ、妬みが多様な罪や不和の根源であることを論じる。
- §7-10
嫉妬の内的苦痛と謙遜による克服の勧め
著者は、妬みが魂を蝕み、終わりのない苦痛をもたらす内的悪徳であることを説明し、肉体的な傷よりも深刻なその性質を警告する。そして、キリストとパウロの言葉を引用し、信者に対して謙遜と光の歩みを勧める。
- §11-13
兄弟への憎しみと殺人の罪、愛と寛大さの勧め
著者(キプリアヌス)は、兄弟を憎み妬むことが殺人の罪に等しく暗闇の歩みであることをヨハネなどの聖書の言葉によって警告する。さらに、キリスト者は羊の無垢さを保ち、寛大さと愛をもって肉的な争いや嫉妬から遠ざかるべきであることを勧告する。
- §14-15
天上の姿への再生と敵への愛の勧め
著者は、洗礼と再生によって新しく生まれた信徒に対し、地上の肉の罪を退けてキリストの天上の姿を身にまとうべきだと説き、敵への愛を実践して父なる神にふさわしい子となるよう勧告する。
- §16-18
平和の時の徳の冠と悪魔に対する霊的武装
悪魔の誘惑に対抗するために、常に神聖な黙想、祈り、善い行いに努めるよう兄弟たちに勧め、平和の時にも得られる様々な徳の冠を挙げる。さらに、嫉妬を捨てて愛と平和に生き、神の監視の下で正しい生活を送るよう促す。
