底本
Plautus. Plauti Comoediae, Volume 2. Leo, Friedrich, editor. Berlin: Weidmann, 1896.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA 4.0
元ファイル: urn:cts:latinLit:phi0119.phi020.perseus-lat2
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翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
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最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
本作は、強欲な娼婦プロネシウムと、彼女に翻弄され財産をむしり取られる男たちの姿をユーモラスかつ辛辣に描いたローマ喜劇です。アテナイを舞台に、機知に富むプロネシウム、彼女の忠実な侍女、そしてタイトルロールである粗野な田舎奴隷トルクレントゥスらが登場します。物語は、プロネシウムがバビロニアの軍人を騙して貢がせるため、他人の赤ん坊を使って偽装出産を企てることから動き出します。彼女を愛する落ちぶれた青年ディニアールクス、粗暴な軍人、そして田舎から出てきた純朴な若者が、彼女の嘘に欺かれながら激しい貢ぎ物競争を繰り広げます。やがて、偽装に使われた赤ん坊がディニアールクスの過ちによって生まれた実子であることが発覚し、彼は身を固める決意をしますが、それでもプロネシウムの誘惑から逃れることはできません。最終的にプロネシウムは、男たち全員から巧妙に財産を巻き上げることに成功し、己の勝利と愛の女神を讃えながら物語を締めくくります。
目次
16 チャンク
引用方式:line
- §1-73
アテナイへの舞台設定と娼婦プロネシウム
プラウトゥスは劇の冒頭で観客に舞台の一角をアテナイに見立てるよう求め、娼婦プロネシウムとその強欲な性質、および愛人たちの悲惨な運命とポン引き・娼婦が蔓延する社会を風刺する。
- §74-141
ディニアールクスと侍女アスタフィウムの口論
ディニアールクスは、プロネシウムがバビロニアの軍人を騙すために出産を偽装していることを見破り、彼女の侍女アスタフィウムと言い争う。ディニアールクスは財産を失ったことを嘆き、アスタフィウムの言葉の矛盾を突いて嘘を暴きつつ彼女の不実を非難する。
- §142-197
アスタフィウムの態度変化とプロネシウムへの案内
ディニアールクスとアスタフィウムは、愛の税収や耕作の比喩を交えて激しい口論を展開するが、ディニアールクスが財産を持っていることがわかるとアスタフィウムは態度を急変させ、出産を終えたプロネシウムのもとへ彼を案内する。
- §198-257b
アスタフィウムの釈明とトルクレントゥスとの対面
アスタフィウムはプロネシウムの出産の噂についてディニアールクスに嘘の釈明をし、彼を家の中に招き入れた後、娼婦の冷徹な金銭観を一人で吐露する。その後、彼女は隣に住む別の裕福な田舎者の家を訪れ、その凶暴な奴隷トルクレントゥスと対峙する。
- §258-315
トルクレントゥスによる非難と告発の脅し
アスタシウムと奴隷のトルクレントゥスが口論を繰り広げ、トルクレントゥスはアスタシウムの厚化粧と強欲さを非難します。彼はさらに、主人の息子ストラバクスが彼女たちに貢ぐために財産を盗み出していることを暴き、老主人に告げ口すると脅します。
- §316-383
ディニアルクスの後悔とプロネシウムとの再会
アスタピウムと入れ替わりでディニアルクスが登場し、財産を浪費したことを後悔しつつも、入浴を終えて現れたプロネシウムの美しさに魅了され、二人は愛を確かめ合うが、ディニアルクスは彼女の不在中の不審な行動について問い詰める。
- §384-456
出産偽装の告白とディニアルクスの約束
プロネシウムはディニアルクスに、軍人を騙して全財産を奪うために、他人の赤ん坊を使って出産を偽装したことを打ち明ける。感激したディニアルクスは彼女に気前のよい贈り物を約束するが、プロネシウムは計画が失敗しないか内心焦っている。
- §457-514b
プロネシウムの産婦偽装とストラトパネースの帰還
プロネーシウムが用意周到に産婦の偽装を整える中、帰還した軍人ストラトパネースが登場し、我が子の誕生を喜びつつ、アスタピウムと滑稽なやり取りを交わして彼女のもとへと向かいます。
- §515-570
ストラトパネースの贈り物と奴隷クィアムスの独白
軍人ストラトパネースは、出産したとされるプロネーシウムにシリア人の女中や高価な衣服を贈るが、彼女の冷淡な態度に落胆する。一方、ディニアルクスの奴隷クィアムスが、主人の財産を勝手に持ち出して上前をはねながら、遊女の強欲さを海にたとえて独白する。
- §571-628
ディニアルクスの贈り物とストラトパネースの憤激
シアムスはディーニアルクスからの豪華な贈り物と金をプロネーシウムに届け、彼女は喜んでそれを受け取る。そこに居合わせた軍人ストラトパネースが嫉妬と怒りを爆発させ、シアムスと激しい言葉の応酬の末に武力衝突寸前の事態となる。
- §629-700
締め出されたストラトパネースとストラバクスの到着
シアムスが去った後、軍人ストラトパネスはプロネシウムから締め出されて憤慨する。一方、田舎の若者ストラバクスが父親の羊代金を持って街に現れ、アスタピウムに手付金を渡してプロネシウムのもとへと入っていき、それをディーニアルクスが自嘲を交えながら見届ける。
- §701-756
ディニアルクスの歓喜とアスタピウムによる締め出し
ディニアルクスはフロネシウムが自分の贈り物を受け入れたことを喜ぶが、田舎から来たストラバクスが全財産を彼女に貢いで家に入ったことを知って絶望する。彼は家の中に入れてくれるようアスタピウムに懇願するが、冷酷に締め出される。
- §756b-811b
カッリクレスの女中尋問と隠れて見守るディニアルクス
アスタピウムに締め出されたディニアルクスが不満を叫んでいると、かつての親戚カッリクレスが、赤ん坊のすり替えに関わった女中たちを捕らえ尋問しながら現れる。物陰から様子を窺うディニアルクスは、自分の過ちが露呈するのを恐れ、かつ赤ん坊の奇妙な血縁関係に呆れ果てる。
- §812-863
ディニアルクスの告白と結婚の合意
カッリクレスは娘を陵辱した犯人がディニアルクスであることを暴き、ディニアルクスは罪を認めて結婚を懇願する。カッリクレスは持参金を減額して結婚を認め、子供を連れ戻すよう命じ、その後ディニアルクスは現れたプロネシウムと対峙する。
- §864-915
プロネシウムによる赤ん坊の確保と金銭の要求
プロネシウムは機知を用いてディニアルクスを丸め込み、赤ん坊を数日間手元に留める許可を得た上で、自らの元へと戻ってきた彼から金銭を巧妙に巻き上げる。
- §916-968
プロネシウムの計略の成功と劇の終幕
娼婦プロネシウムは、田舎の若者ストラバクスと軍人ストラトパネスを競わせて両者から財産を巻き上げ、二人とも家の中に招き入れる。彼女は計略の成功を喜び、観客に対して愛の女神ウェヌスのために拍手を送り、お開きにするよう求めて劇を締めくくる。
