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恋の病の治療法

§1-75

アモルへの弁明と治療術の提示

詩人は愛の神アモルから誤解を解き、破滅的な愛から恋する人々を解放するための『恋の治療』の執筆を許され、ギリシア神話の様々な悲劇の例を引きながら、若者たちと少女たちに自らの技術を役立てるよう呼びかける。

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1

​Legerat huius Amor titulum nomenque libelli:

アモルはこの小著の題名と名前を読んだ。

'Bella mihi, video, bella parantur' ait.

「私に対して、どうやら戦いが、戦いが用意されているのだな」と彼は言う。

'Parce tuum vatem sceleris damnare,1 Cupido,​Tradita qui toties te duce signa tuli.

「クピードーよ、あなたの先導のもと、託された軍旗を何度も掲げて戦ったあなたの詩人を、大罪で罪ありと断罪するのをやめてくれ。

5

​Non ego Tydides, a quo tua saucia mater2​In liquidum rediit aethera Martis equis.

私はテューデウスの子ではない。彼によって、あなたの傷ついた母は、マールスの馬によって澄んだアイテールへと戻ったのだ。

​Saepe tepent alii iuvenes: ego semper amavi,

他の若者たちはしばしば冷めているが、私は常に愛してきた。

​Et si, quid faciam, nunc quoque, quaeris, amo.

そして、もし私が今何をしているかとお尋ねなら、やはり愛しているのだ。

​Quin etiam docui, qua posses arte parari,

それどころか、あなたがどのような技術によって獲得され得るかも私は教えた。

10

​Et quod nunc ratio est, impetus ante fuit.

そして、今や理性的な規則であるものが、かつては衝動であったのだ。

​Nec te, blande puer, nec nostras prodimus artes,

甘い少年よ、私はあなたをも、我らの技術をも裏切らない。

​Nec nova praeteritum Musa retexit opus.

新たなムーサが過去の作品を解きほぐすこともない。

​Siquis amat quod amare iuvat,3 feliciter ardens

もし誰かが、愛することが喜びであるものを愛しているなら、幸福に燃えつつ

​Gaudeat, et vento naviget ille suo.

喜び、己の風に乗って航海するがよい。

15

​At siquis male fert indignae regna puellae,

しかし、もし誰かが値しない少女の支配を不満に耐え忍んでいるなら、

​Ne pereat, nostrae sentiat artis opem.

滅びてしまわぬよう、我らの技術の助けを実感するがよい。

​Cur aliquis laqueo collum nodatus amator

なぜ、ある恋する者が首を投げ縄で縛られ、

​A trabe sublimi triste pependit onus?

高い梁から悲しげな重荷となってぶら下がったのか。

​Cur aliquis rigido fodit sua pectora ferro?

なぜ、ある者が冷たい刃で自らの胸を突き刺したのか。

20

​Invidiam caedis, pacis amator, habes.

平和の愛好者たる者よ、あなたはその殺害の悪評を負うことになる。

​Qui, nisi desierit, misero periturus amore est,

もしやめなければ、惨めな愛のために滅びるであろう者は、

​Desinat; et nulli funeris auctor eris.

やめるがよい。そうすれば、あなたは誰の死の原因にもならないだろう。

​Et puer es, nec te quicquam nisi ludere oportet:

そして、あなたは少年であり、遊ぶこと以外に何もすべきではない。

​Lude; decent annos mollia regna tuos.

遊べ。優しい支配は、あなたの年齢にふさわしい。

​Vitricus et gladiis et acuta dimicet hasta,

義父は剣と鋭い槍で戦うがよい、

​Et victor multa caede cruentus eat:

そして勝者として多くの虐殺で血に染まって進むがよい。

​Tu cole maternas, tuto quibus utimur, artes,

あなたは母の技術を培え、それを私たちは安全に用いる。

30

​Et quarum vitio nulla fit orba parens.

それらの罪によって、いかなる親も子を失うことはない。

​Effice nocturna frangatur ianua rixa,

夜の喧嘩で扉が壊されるようにせよ、

​Et tegat ornatas multa corona fores:

そして多くの花冠が飾られた門を覆うようにせよ。

​Fac coeant furtim iuvenes timidaeque puellae,

若者たちと怯える少女たちが密かに交わるようにせよ、

​Verbaque dent4 cauto qualibet arte viro:

そしていかなる技術によっても、用心深い夫を欺くようにせよ。

35

​Et modo blanditias rigido, modo iurgia posti

そして締め出された恋人が、冷酷な柱に対して、

​Dicat et exclusus flebile cantet amans.

ある時は甘い言葉を、ある時は罵りを浴びせ、涙ながらに歌うようにせよ。

​His lacrimis contentus eris sine crimine mortis;

あなたは死の罪を負うことなく、これらの涙で満足するだろう。

​Non tua fax avidos digna subire rogos.'

あなたの松明は、貪欲な火葬の薪に入り込むには値しない。」

​Haec ego: movit Amor gemmatas aureus alas,

私がこのように言うと、黄金のアモルは宝石をちりばめた翼を動かし、

40

​Et mihi 'propositum perfice' dixit 'opus.'

私に「目指した作品を完成させよ」と言った。

​Ad mea, decepti iuvenes, praecepta venite,

裏切られた若者たちよ、私の教えのもとに来なさい。

​Quos suus ex omni parte fefellit amor.

あなたたちの愛が、あらゆる点であなたたちを欺いたのだから。

​Discite sanari, per quem didicistis amare:

あなたたちに愛することを教えたその人によって、治療されることを学びなさい。

​Una manus vobis vulnus opemque feret.

一つの手があなたたちに傷と救いの両方をもたらすのだ。

45

​Terra salutares herbas, eademque nocentes

大地は有益な薬草を育て、また同じ大地が有害な草をも育てる。

​Nutrit, et urticae proxima saepe rosa est;

そしてイラクサのすぐ隣に、しばしば薔薇がある。

​Vulnus in Herculeo quae quondam fecerat hoste,

かつてヘラクレスの敵に傷を負わせたペーレウスの槍が、

​Vulneris auxilium Pelias hasta tulit.

その傷の救いをもたらした。

​Sed quaecumque viris, vobis quoque dicta, puellae,

しかし、男たちに言われたいかなることも、少女たちよ、あなた方にも言われていると

50

​Credite: diversis partibus arma damus,

信じなさい。私は両方の陣営に武器を与えているのだ。

​E quibus ad vestros siquid non pertinet usus,

それらのうち、もしあなた方の役には立たないものがあるとしても、

​Attamen exemplo multa docere potest.

それでも例えによって多くのことを教えることができる。

​Utile propositum est saevas extinguere flammas,

狂暴な炎を消し去り、自らの欠点の奴隷となる心を持たないことは、

​Nec servum vitii pectus habere sui.

有益な企てである。

55

​Vixisset Phyllis, si me foret usa5 magistro,

もしフィリスが私を教師として用いていたなら、彼女は生きながらえただろうに。

​Et per quod novies, saepius isset iter;

そして、彼女が九度通ったあの道を、もっと何度も通っただろうに。

​Nec moriens Dido summa vidisset ab arce

また、死にゆくディードーが、城塞の頂上から

​Dardanias vento vela dedisse rates;

ダルダニアの船が風に帆を上げて去っていくのを見ることもなかっただろうに。

​Nec dolor armasset contra sua viscera matrem,

また、血を分けた子供を害することで夫に復讐したあの母親を、

60

​Quae socii damno sanguinis ulta virum est.

怒りが自らの内臓に対して武装させることもなかっただろうに。

​Arte mea Tereus, quamvis Philomela placeret,

私の技術があれば、テーレウスは、フィロメーラが気に入っていたとしても、

​Per facinus fieri non meruisset avis.

犯罪によって鳥になるに値することはなかっただろう。

​Da mihi Pasiphaën, iam tauri ponet amorem:

私にパシパエーを与えよ、彼女はすぐに牡牛への愛を捨てるだろう。

​Da Phaedram, Phaedrae turpis abibit amor.

私にパイドラーを与えよ、パイドラーの不名誉な愛は立ち去るだろう。

65

​Crede Parim nobis, Helenen Menelaus habebit,

パリスを私に委ねよ、メネラーオスはヘレネーを留め置くだろうし、

​Nec manibus Danais Pergama victa cadent.

ペルガモンがダナオス人の手によって征服されて倒れることもないだろう。

​Impia si nostros legisset Scylla libellos,

不経なスキュラが私の小著を読んでいたなら、

​Haesisset capiti purpura, Nise, tuo.

ニーソスよ、あなたの頭には紫の髪がくっついたままだっただろうに。

​Me duce damnosas, homines, conpescite curas,

人々よ、私を先導者として、害となる憂いを抑えよ。

70

​Rectaque cum sociis me duce navis eat.

そして私を先導者として、船が仲間たちと共に真っ直ぐに進むようにせよ。

​Naso legendus erat tum, cum didicistis amare:

あなたたちが愛することを学んだその時には、ナーソーが読まれるべきであった。

​Idem nunc vobis Naso legendus erit.

今や、同じナーソーがあなたたちによって読まれるべきである。

​Publicus assertor6 dominis suppressa levabo

公の解放者として、私は主人たちによって抑圧された

​Pectora: vindictae quisque favete suae.

胸を軽くしよう。誰もが自らの解放を支持するがよい。

75

​Te precor incipiens, adsit tua laurea nobis,

書き始めるにあたり、私はあなたに祈る。あなたの月桂樹が私を助けてくれますように。

構文注6 件
  1. 3Parce tuum vatem sceleris damnare

    動詞 parcere に不定詞 damnare が続く構文。parcere + 不定詞 は「〜するのを差し控える、やめる」という禁止または懇願を表す表現。sceleris は damnare の罪状(属格)で「大罪で罪ありと断罪する」の意。

  2. 5a quo tua saucia mater

    a quo は「それ(その人)によって」を表す奪格句で、先行詞は直前の Tydides(テューデウスの子=ディオメーデース)。動詞 rediit(戻った)の主語は tua saucia mater(あなたの傷ついた母=アプロディーテー)で、ディオメーデースが彼女に傷を負わせたトロイア戦争の神話を指す。

  3. 13siquis amat quod amare iuvat

    iuvat は非人称的に用いられており、「〜を愛することが[その人にとって]喜びとなる(楽しい)」という意。quod は関係代名詞対格で、先行詞(amat の目的語)が省略されている。「愛することが喜びとなるようなものを愛する者は誰でも」という構造。

  4. 34Verbaque dent

    idiomとしての verba dare(対格 + 与格)で、「(実行を伴わずに)言葉だけを与える」、転じて「だます、欺く」の意。ここでは cauto viro(用心深い夫・男)に対して、少女や若者が策略を用いて欺くことを意味する接続法(命令・願望)。

  5. 55foret usa

    foret は imperfect subjunctive(essem の異形)で、過去分詞 usa(deponent 形式の utor)と結びついて接続法過去完了を表す(=esset usa)。過去における事実と反対の仮定(接続法過去完了の条件節)を形成しており、「もし私を教師として用いていたなら(実際は用いなかった)」の意。

  6. 73Publicus assertor

    assertor はローマ法における法用語。他人の自由または奴隷の身分を法廷で主張する擁護者を指す(特に assertor libertatis は奴隷解放訴訟における解放請求者)。ここでは、恋の奴隷状態から人々を公に解放する者として、詩人自身をその役割に例えている。

翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)・修正履歴(1 件・最終 2026-09-21)
  • 2026-09-21 AI校閲 — 訳文 1 件
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