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第10歌 アプロディテ讃歌

§1-6

アプロディーテーへの祈りと歌の恵み

女神アプロディーテーの美しさとその支配地を讃え、詩人へのインスピレーションを求めつつ、今後の歌について誓う讃歌の導入部。

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1

κυπρογενῆ Κυθέρειαν ἀείσομαι, ἥτε1 βροτοῖσι

キュプロス生まれのキュテレイアを私は歌おう。彼女は死すべき人間に

μείλιχα δῶρα δίδωσιν, ἐφ’ ἱμερτῷ δὲ προσώπῳ

甘き恵みを与え、愛らしき顔には

αἰεὶ μειδιάει καὶ ἐφ’ ἱμερτὸν θέει ἄνθος.2

常に微笑みを湛え、愛らしき輝きがその上を走る。

χαῖρε, θεά, Σαλαμῖνος ἐυκτιμένης μεδέουσα

淑び給え、女神よ、よく建てられたるサラミースと

5

εἰναλίης τε Κύπρου· δὸς δ’ ἱμερόεσσαν ἀοιδήν.

海に囲まれたるキュプロスを支配する御方よ。私に愛らしき歌を授け給え。

αὐτὰρ ἐγὼ καὶ σεῖο καὶ ἄλλης μνήσομ’ ἀοιδῆς.3

されど私は汝のことも、また他の歌のことも心に留めよう。

構文注3 件
  1. 1ἥτε

    関係代名詞 ὅς に小辞 τέ が結合したエピック(叙事詩)的表現。特定の個人を指すだけでなく、「〜するところの(ような)」という一般的・本質的な性質を表す。

  2. 3ἐφ’ ἱμερτὸν θέει ἄνθος

    ἄνθος(花、若さや美しさの輝き)が主語、θέει(走る、広がる)が動詞。前置詞 ἐφ’ (ἐπί) は、前行の「顔」(πρόσωπον)を省略された目的語として「その(顔の)上に」と解し、ἱμερτόν は ἄνθος を修飾する。これによって「彼女の顔の上に、愛らしい美しさの輝きが広がる」という意味になる。

  3. 6καὶ σεῖο καὶ ἄλλης μνήσομ’ ἀοιδῆς

    動詞 μνήσομαι(μνάομαι「思い出す、心に留める、歌う」の未来中間態)は属格を支配する。ここでは人称代名詞の属格 σεῖο(汝の)と ἄλλης ἀοιδῆς(他の歌の)がともに並列(καὶ...καὶ...)されて目的語となっている。

翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)urn:cts:greekLit:tlg0013.tlg010.humanitext-grc2:1-6