底本
Euclid. Euclidis Opera Omnia, Volume 8. Menge, Heinrich, editor. Leipzig: Teubner, 1916.
原文データ出典
Open Greek and Latin · CC BY-SA 4.0
元ファイル: urn:cts:greekLit:tlg1799.tlg016.1st1K-grc1
Humanitext がクローン・再構成し、継続的に更新しています。
翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
AI校閲 2026-09-22:検出 Gemini 3.8 Flash/判定 Gemini 3.8 Flash・GPT-6 Astra — 日本語訳 12 件・原文 16 件を修正
反映した修正(日本語訳と原文):AI校閲 28 件
日本語訳を再翻訳したチャンク:1
最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
本作は、古代ギリシアの数学者エウクレイデスの、今日では散逸してしまった一連の幾何学著作を、古代の注釈家たちの引用や部分的な写本に基づいて再構成した断片集です。作品はまず、図形の分割を扱う『分割について』や、初心者が幾何学的な誤謬を見抜くための教育的著作『偽証明の書』の紹介から始まります。続いて、本書の核心部分として、作図と定理の中間に位置する概念を扱った『ポリス(マ)集』の内容が、パッポスによる膨大な補助定理の証明とともに詳細に展開されます。ここでは、点の共線性(同一直線上にあること)や複雑な比の合成、円と直線の幾何学的関係を示す高度な命題群が並びます。後半では、平面から空間へと議論を拡張する『曲面上の軌跡』が扱われ、放物線や楕円などの円錐曲線を描く点の軌跡の作図と証明が示されます。最後は、アルキメデスやアポロニオスらの記述を通じて『円錐曲線論』の命題が紹介され、古代幾何学の精緻な分析と総合の手法が示されます。
目次
29 チャンク
引用方式:chapter.section
- §1.1
著作目録と図形の分割に関する論考
プロクロスによるエウクレイデスの数学的著作の目録の紹介と、失われた著作『分割について』に言及しつつ図形の等分・不等分を論じた箇所である。
- §2.1
底辺に平行な直線による三角形の等分割
パリ写本に基づくユークリッド『分割について』のフランス語訳より、与えられた三角形をその底辺に平行な直線によって2等分および3等分する最初の2つの問題が提示される。
- §3.1
偽証明の書(プセウダリア)の性質と教育的役割
プロクロスやその他の古代の註釈者たちの言及を通じて、初心者が幾何学の誤謬推理を見抜き、自らを訓練するためのユークリッドの失われた著作『偽証明の書』(プセウダリア)の教育的役割と性質が示される。
- §4.1
幾何学におけるポリスの二重の意味と定義
プロクロスは幾何学における「ポリス(マ)」という語の二つの意味(定理の副産物としての系、および、作図問題と定理の中間に位置する「発見」を要するもの)を定義し、ユークリッドの『ポリス(マ)集』に言及する。
- §5.1#1
パッポスによるポリス集の解説と定義の変遷
パッポスは『分析される(蔵書)』におけるユークリッドの『ポリス(マ)集』の位置づけを示し、定理・問題・ポリス(マ)の違いに関する古代と後世の定義の変遷や、ポリス(マ)の表現の簡潔さについて記述している。
- §5.1#2
パッポスのポリスムの定式化と各巻の命題分類
パッポスが、ユークリッドの『ポリス(マ)集』に収められた、点の幾何学的配置に関する定理(いわゆるパッポスのポリスム)を定式化して提示し、さらに同書の第1巻および第3巻に含まれる様々な命題の分類と概要を列挙する。
- §6.1-6.2
直線の平行性と共線性に関する補助定理
ユークリッドの『ポリス(マ)集』第1巻および第2巻に関連する補助定理の証明。第1の補助定理では比の変形と合成比を用いて直線が平行であることを証明し、第2の補助定理では3点が共線(同一直線上にあること)であることを証明する。
- §6.3
直線群の交わりによる線分積の比の均等性の証明
3本の直線と交わる2本の直線を巡る幾何学的な比の性質、すなわち各線分の積の比の均等性を、平行線の直接法と合成比による方法の二通りで証明する。
- §6.4-6.5
比の合成と調和比による三点の共線性の証明
セクション6.4では、与えられた比の条件の下で3点Θ, Η, Ζが共線であることを比の合成を用いて証明し、セクション6.5では、調和比の性質と平行線を用いて別の3点Α, Η, Θが共線であることを証明する。
- §6.6-6.9
比例と面積の性質による線分の平行性の証明
第6章の第6節から第9節において、比の等式や中項比例、および等面積の性質を用いて、与えられた幾何学的図形内の特定の線分同士が平行であることを証明する。
- §6.10-6.11
長方形の比による共線性および底辺比の証明
第10節では、2本の直線に対してある点から引かれた直線に関する長方形の比の等式から、特定の点が共線(同一直線上)にあることを証明する。第11節では、三角形の平行線において、2組の線分が包む長方形の比が底辺の比に等しくなることを証明する。
- §6.12-6.14
交線群の比による三点の共線性の証明
二直線(平行または交差する)を横切る直線群から得られる比の等式を用いて、3つの点(Η, Μ, Κ または Α, Ζ, ∠)が同一直線上にあることを証明する。
- §6.15-6.16
平行線と比の合成による三点の共線性の証明
§6.15では平行線に交わる直線群における特定3点の共線性を前節の定理を適用して示し、§6.16では2直線から引かれた直線の交点や分点が特定の比を満たす場合に3点が共線になることを比の合成を用いて証明する。
- §6.17-6.19
非平行線の交点と比の合成による共線性
平行ではない直線群の交点に関する共線性(定理17)、三角形の比の合成に基づく共線性(定理18)、および平行投影下の比の等価性(定理19)の3つの幾何学的命題を証明する。
- §6.20-6.22
夾角を持つ三角形の面積比と長方形の比
等しい角または和が二直角になる角を持つ二つの三角形において、挟む辺の包む長方形の比が三角形の比に等しいこと、および特定の線分関係から得られる正方形の等価性を幾何学的に証明する。
- §6.23-6.25
線分の和差による長方形と平方の等式関係
線分の積(長方形)と平方の間に成り立つ比例関係(合比および分比の性質)から、特定の和や差に関わる長方形と平方の間に成り立つ三つの等式をそれぞれ導出し、証明する。
- §6.26-6.28
線分比による平方の等価と円の割線と接線
定理26と27では、直線上の線分の比と平方の比の関係から、包む長方形と平方の均等関係を証明する。定理28では、円の接線と割線に関して成立する線分比の性質を、長方形と平方の等価性を用いて証明する。
- §6.29-6.32
円弧上の与えられた比の折れ線と円の性質
§6.29では、与えられた円弧上で与えられた比を持つ折れ線を引く問題とその作図を扱い、§6.30から§6.32では円の幾何学的性質や三角形の等積に関する命題が述べられている。
- §6.33-6.35
円の直径と垂線および調和分割の性質
本チャンクでは、直線と円に関する幾何学的な比例・面積関係の命題が扱われる。具体的には、円の直径と垂線、特定の比に分割された線分、および共円点を用いた調和分割の性質が証明される。
- §6.36-6.38
半円内の線分関係と等積三角形の作図
§6.36では半円における平行線と垂線によって切り取られる線分の相等が証明され、§6.37では半円内の正方形と矩形に関する関係式が段階的に導かれる。§6.38では、与えられた平行四辺形と面積の等しい三角形を作る直線の作図問題が、解析と合成の手法を用いて解かれる。
- §7.1
パッポスによる曲面上の軌跡二巻の証言
パッポスの著作『集成』第7巻における、エウクレイデスの失われた幾何学書『曲面上の軌跡』2巻に関する言及の引用と、関連する現代の研究文献の提示。
- §8.1
円錐曲線から曲面上の軌跡への拡張
エウクレイデスの失われた著作『曲面上の軌跡』の第1命題に関する記述。平面上における点と直線の幾何学的関係が、空間内における曲面上の軌跡へと拡張されるプロセスを示す。
- §8.2#1
線分の比の条件と円錐曲線の作図
与えられた比率の条件から、点が放物線、楕円、双曲線といった円錐曲線を描くことを幾何学的に証明し、そのための補助定理の作図(合成)を提示している。
- §8.2#2
楕円・双曲線および放物線の軌跡の合成と証明
楕円と双曲線の場合の軌跡の合成を行い、比の合成関係を用いて軌跡が指定された円錐曲線の一部になることを証明する。その後、当初の比が等しい場合(放物線)に立ち返り、その軌跡の証明と合成を示す。
- §9.1
パッポスによる円錐曲線論の伝承と補完の証言
エウクレイデスが著した4巻の『円錐曲線論』をアポロニオスが補完・拡張して計8巻として伝えたという、パッポスの証言とその註釈を引用している。
- §10.1
軌跡問題に関するアポロニオスの主張とパッポスの擁護
アポロニオスが自身の『円錐曲線論』第3巻が「3線および4線の軌跡」問題の解決に不可欠であることを述べたのに対し、パッポスはエウクレイデスがこの課題を完成できなかったのは当時の数学的限界のためであり、アリスタイオスの業績を尊重した彼なりの合理的な判断であったと擁護する。
- §11.1
放物線の幾何学的性質に関する命題
アルキメデス『放物線の求積』の最初の3つの命題を引用し、放物線(直角円錐の切断面)における直径、接線、割線の幾何学的性質やそれらの比例関係を提示している。
- §12.1
円錐曲線における交差弦の矩形と接線の比
アルキメデスの『円錐様体と球状体について』第3命題を引用し、円錐曲線において交差する直線の分割線分が囲む長方形の面積比が、平行な接線の平方の比に等しいことを述べている。
- §13.1
円錐曲線の性質に基づく面積の適用
アルキメデスが、二つの正方形の比(AZ対AK)に等しい比を持つ直線NとMを導入し、円錐曲線の性質に基づき、切断面から引かれた特定の直線群が囲む面積の性質について述べている。
