底本
Hippocrates. Oeuvres complètes d'Hippocrate, Vol. 6. Littré, Émile, editor. Paris: Baillière, 1849
原文データ出典
A Digital Corpus for Graeco-Arabic Studies · CC BY-SA 4.0
元ファイル: urn:cts:greekLit:tlg0627.tlg018.1st1K-grc1
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翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
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最終更新:2026-10-12・変更履歴の一覧
要旨
本作は、医術(イアトリケ)が真の「技術(テクネー)」として実在し、確固たる根拠を持つものであることを証明しようとする哲学・医学的論説です。著者はまず、技術を貶める人々を反駁し、医術の目的を「病人を苦痛から救うこと」と「治療不可能な病には手を出さないこと」に定義します。続けて、医師なしで回復した事例も実際には医術の原理にかなった養生の結果であり、治療の失敗は医師ではなく患者の不服従や肉体の条件に起因すると主張して、「偶然」ではなく確固たる「原因」の存在を強調します。さらに、体内などの「目に見えない病気」に対しては、医師が排泄物の観察といった間接的な兆候から「心の目」による推論を用いて病因を突き止め、適切な治療を行う方法が示されます。最終的に、医術が豊かな治療手段と確実性を備えた自立した技術であることを論証し、その限界をも含めた医術の誠実さと妥当性を擁護しています。
目次
6 チャンク
引用方式:chapter
- §1-4
技術の存在と医術の定義および偶然性の否定
著者は他者の発見を貶める非難者を批判した上で、すべての技術は存在するものであること、および医術の定義(病人を苦痛から解放し、不可能な治療には手を出さないこと)を提示し、医術の成果は運ではなく技術によるものであると主張する。
- §5-6
医師なしの治癒による医術の実在の証明と偶然の否定
医師にかからず回復した者たちも、結果的に医術に属する適切な養生法を行ったことで治癒したのであり、これこそが医術の実在を示すと論じる。また、あらゆる現象には原因があり、「偶然」は実体のない名前にすぎず、医術には確固たる実体があることを示す。
- §7-8
治療失敗の責任の所在と医術の限界の受容
第7章では、治療が失敗して患者が死亡した原因が医師ではなく患者側の不服従や状態の悪さにあることが論じられ、第8章では、医術が万能ではなく限界があることを認め、不治の患者を拒む医師の判断の妥当性が説明される。
- §9-10
外部に見える病気と体内の隠れた病気の解剖学的特徴
医術において、見えやすい病気の治療法は既に確立されていること、また見えにくい病気(体内の空洞や骨・関節に関わるもの)の解剖学的な特徴と分泌液(液汁)の存在について説明する。
- §11
見えざる病に対する理性の推論と治療の遅延の責任
目に見えない病に対しては、医師が推論(心の目)を用いて追究せねばならないこと、そして治療の遅れの原因は技術ではなく肉体の不透明さや患者自身の怠慢にあり、他技術と同様に医術でも速さより正確さが重んじられるべきであることを説明する。
- §12-13
見えざる病への探知手段と医術の確実性の実証
医術は、体内の見えない病に対して、分泌物の観察や様々な強制手段を用いて病の兆候を推測し治療へと導く。医術が豊かな手段と確実性を備えていることは、理論的な議論と実際の治療行為の実演によって証明される。
