底本
Aeschyli Tragoediae. Sidgwick, Arthur, editor. Oxford: Clarendon Press, 1902.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA 4.0
元ファイル: urn:cts:greekLit:tlg0085.tlg007.1st1K-grc1
Humanitext がクローン・再構成し、継続的に更新しています。
翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
AI校閲 2026-09-22:検出 Gemini 3.8 Flash/判定 Gemini 3.8 Flash・GPT-6 Astra — 日本語訳 4 件・原文 1 件を修正
反映した修正(日本語訳と原文):AI校閲 5 件・表記の統一 2 件
最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
本作は、母親殺しの罪に問われたオレステスの運命と、血の復讐から法による裁判への移行を描くギリシア悲劇です。舞台はデルポイのアポロン神殿から始まり、母の亡霊に唆された復讐の女神(エリーニュス)たちに追われるオレステスが、神の加護を得てアテナイへと逃れます。アテナイの守護神アテナは、この困難な争いを解決するために市民による陪審制裁判所(アレオパゴス裁判所)を創設します。法廷では、オレステスを弁護する新しき神アポロンと、古い血の法を守る復讐の女神たちが激しく対立します。最終的にアテナの投じた一票によってオレステスの無罪が確定し、怒れる復讐の女神たちもアテナの説得を受け入れ、アテナイを祝福する「恵みの女神(エウメニデス)」へと生まれ変わって和解のうちに幕を閉じます。
目次
11 チャンク
引用方式:line
- §1-83
ピューティアの祈りとアポロンの庇護
ピューティアがデルポイの神託所の歴史を振り返った後、神殿の内部で血まみれの男と眠れる恐るべき怪物たちを発見して怯え、去る。現れたアポロンはオレステスに加護を約束し、アテナイへ逃れるよう指示する。
- §84-178
クリュタイムネストラの亡霊と復讐の女神たちの目覚め
アポロンはヘルメスにオレステスをアテナイへ送るよう頼み、去る。続いてクリュタイムネストラの名を持つ亡霊が現れ、眠れる復讐の女神たちを厳しく叱咤して目覚めさせる。目を覚ました復讐の女神たちは、アポロンら新しい神々が古い法を侮辱し、母親殺しの男を盗み出した不義を激しく歌い上げる。
- §180-266
アポロンによる女神たちの追放とアテネへの逃避
アポロンは復讐の女神たちを神殿から追い出し、オレステスの罪をめぐって彼女たちと激しく議論する。その後、アテネに逃れたオレステスはアテナの神像に庇護を求め、彼を追ってきた女神たちが再び彼を取り囲む。
- §267-377
オレステスの祈りと復讐の女神たちの束縛の歌
復讐の女神たちがオレステスを生きながらにして追い詰めると脅し、地獄の裁判官ハデスの支配について語る。これに対しオレステスは自らの穢れが浄化されたことを主張し、アテナ女神の救援を祈るが、復讐の女神たちは「結合の歌」を歌い、彼の逃亡が不可能であることを宣言する。
- §378-464
アテナの到来と復讐の女神たちおよびオレステスの尋問
アテナがスカマンドロスから帰還し、コーラス(復讐の女神たち)と対峙する。アテナはコーラスからその恐るべき職能と正体を、またオレステスから彼の素性と母殺しの経緯を聞き出す。
- §465-576
アレオパゴス裁判所の創設とアポロンの出廷
アテナはオレステスの嘆願を受け入れつつも復讐の女神たちの怒りも無視できないため、市民から陪審員を選びアレオパゴス裁判所を創設して裁かせることを決定する。続いて復讐の女神たちが正義の重要性と度を越えた犯罪への報復を歌い、アテナが裁判の開廷を宣言する中、アポロンが証人として現れる。
- §577-655
アポロンによるオレステスの弁護と復讐の女神たちとの論争
アテナの法廷において、アポロンがオレステスの証人・弁護人として立ち、コーラス(復讐の女神たち)との間で母殺しの罪をめぐる激しい尋問と論争が展開される。アポロンは父アガメムノンの高貴さとその惨殺の不当性を主張し、ゼウスの権威を背景にオレステスの無罪を弁護する。
- §656-737
アポロンの父権論とアテナによるオレステスへの支持
アポロンがアテナの誕生を例に「父こそが唯一の親である」という議論を展開し、これを受けてアテナはアレオパゴス評議会を設立して市民に正義を説く。新旧の神々が激しい議論を戦わせる中、アテナは母親を持たない自らの素性を理由にオレステスへの支持を表明する。
- §738-834
オレステスの無罪判決とアテナによる復讐の女神たちの説得
アテナはオレステスを支持する決定票を投じ、票が同数となったため彼の無罪が確定する。オレステスは守護の誓いを立てて去るが、敗訴に憤る復讐の女神たちをアテナは説得し、新たな崇拝の地を提供して宥めようとする。
- §835-927
アテナの説得と復讐の女神たちによるアテナイへの祝福
アテナはエリーニュスたち(復讐の女神たち)に対し、アテナイにとどまり市民から永続的な崇拝と栄誉を受けるよう熱心に説得する。エリーニュスたちは怒りを繰り返した後にその言葉を受け入れ、アテナイと市民への豊かな実りと繁栄を願う祝福の祈りを歌い始める。
- §928-1047
アテナによる歓迎とエウメニデスの地下の住処への行列
アテナが復讐の女神たち(エウメニデス)をアテナイに温かく迎え入れ、土地の繁栄と守護を約束する。復讐の女神たちはアテナイの民に祝福を与え、松明の輝く光に導かれて大地の底の神聖な住処へと出発する。
