底本
Aeschyli Tragoediae. Sidgwick, Arthur, editor. Oxford: Clarendon Press, 1902.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA 4.0
元ファイル: urn:cts:greekLit:tlg0085.tlg002.1st1K-grc1
Humanitext がクローン・再構成し、継続的に更新しています。
翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
AI校閲 2026-09-22:検出 Gemini 3.8 Flash/判定 Gemini 3.8 Flash・GPT-6 Astra — 日本語訳 6 件を修正
反映した修正(日本語訳と原文):AI校閲 6 件・表記の統一 1 件
日本語訳を再翻訳したチャンク:1
最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
本作は、ペルシア戦争におけるサラミスの海戦でのペルシア軍の壊滅を、敗北したペルシア側の視点から描いたギリシア悲劇です。舞台はペルシアの首都スサの王宮前であり、王太后アトッサと長老たちのコーラスがクセルクセス王の遠征の行方を案じるところから始まります。そこへ現れた伝令が、海戦での大敗と将兵たちの凄惨な死、過酷な撤退の様子を克明に報告し、一同は絶望に包まれます。打開策を求めてアトッサが亡き先王ダレイオスの亡霊を呼び出すと、ダレイオスは息子の無謀な傲慢(ヒュブリス)を厳しく非難し、さらなる破滅を予言して冥界へ去ります。最後に、哀れな姿で生還したクセルクセス王が登場し、コーラスとともに互いの衣を引き裂き悲痛な嘆きの歌を交わし合う、救いのない結末で幕を閉じます。
目次
10 チャンク
引用方式:line
- §1-143
遠征軍の出陣と留守の長老たちの不安
留守を任されたペルシアの長老たち(コーラス)が王宮の前に登場し、クセルクセス王率いるアジアの全軍勢がギリシア遠征へと出発したことを、その壮麗な陣容を列挙しながら語る一方、遠征軍の安否と祖国の運命に対して暗い予感と不安を表明する。
- §144-225
アトッサの不吉な夢と長老たちの助言
長老たちがクセルクセスの遠征の行方を案じるなか、王太后アトッサが登場し、ペルシアとギリシアを象徴する二人の女性が争う不吉な夢と、鷹が鷲を襲う不穏な兆候について語り、長老たちは神々や先王ダレイオスの霊への祈りを勧める。
- §226-322
使者の到着とサラミスでの敗報
アトッサとコーラスがアテナイの状況について言葉を交わした後、戦地から使者が到着し、サラミスの海戦でペルシア軍が壊滅したこと、そして戦死した名だたる将軍たちの名を報告する。
- §323-412
両軍の船数の比較とサラミス海戦の開始
伝令はペルシア軍の主要な戦死者をさらに挙げた後、アトッサの問いに応じて両軍の船数を比較し、サラミス海戦の始まりについて詳細に語る。夜間の警戒から夜明けのギリシア軍の奇襲、そして激しい交戦の火蓋が切られた様子を描写する。
- §413-504
ペルシア軍の壊滅と過酷な撤退の報告
伝令は、サラミス海戦でのペルシア艦隊の大敗とプシッタレイア島での精鋭部隊の虐殺を語り、さらに王の敗走と陸上部隊の過酷を極めた撤退過程を詳細に報告する。アトッサは神々の残酷な欺きを嘆く。
- §505-620
合唱隊の哀歌とダレイオス召喚の準備
伝令がストリモン川でのペルシア軍の壊滅的被害と辛うじて逃げ延びた生存者について語り終え退場した後、王妃アトッサは長老たちに、亡き夫ダレイオスの亡霊を呼び出すための追悼の儀式を行う決意を伝えます。合唱はクセルクセスの無謀な遠征を非難し、帝国全土の嘆きと主権の喪失を歌い上げ、再び登場したアトッサが死者への捧げ物を携えて儀式の歌を促します。
- §621-725
ダレイオスの亡霊の出現と敗戦の報告
アトッサと合唱は、死せる王ダレイオスの魂を呼び起こすための儀式を行い、ダレイオスが地上に現れる。ダレイオスはペルシアに起きた災難を問い、アトッサはクセルクセスの無謀な遠征と、サラミス等での全軍の壊滅を語る。
- §726-804
ダレイオスの嘆きとギリシア再征の警告
ダレイオスはアトッサから遠征の惨憺たる結果を聞き、クセルクセスの無謀な試みと神への不遜を嘆く。そして歴代の王たちの事績を振り返りつつ、ギリシアへの再度の遠征を強く諫め、神託の恐るべき実現について警告する。
- §805-931
ダレイオスの予言とクセルクセスの生還
亡霊ダレイオスはプラタイアイの戦いでのペルシア軍の壊滅と、神殿破壊等の傲慢が招いた破滅を予言して冥界へ去る。その後、合唱隊はダレイオス治下の栄光を回顧し、悲痛な有様で生還した王クセルクセスを迎えて嘆き合う。
- §932-1076
クセルクセスと合唱隊の哀歌と退場
クセルクセスが敗戦の惨状と指揮官たちの全滅を嘆き、合唱隊がそれに同調しながら、互いに体を叩き衣を引き裂く激しい哀悼の交互唱を繰り広げて退場する。
