アイスキュロス · Aeschylus
嘆願する女たち
The Suppliants
ギリシア語原文(原典)と日本語・英語・中国語・韓国語の対訳・語釈を、全文無料・登録不要で公開しています。
底本
Aeschyli Tragoediae. Sidgwick, Arthur, editor. Oxford: Clarendon Press, 1902.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA 4.0
元ファイル: urn:cts:greekLit:tlg0085.tlg001.1st1K-grc1
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翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
AI校閲 2026-09-22:検出 Gemini 3.8 Flash/判定 Gemini 3.8 Flash・GPT-6 Astra — 日本語訳 2 件を修正
AI校閲 2026-10-12:検出 Gemini 3.8 Flash/判定 Claude Opus 5.5 — 日本語訳の修正なし
反映した修正(日本語訳と原文):AI校閲 2 件
最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
本作は、エジプトの従兄弟たちとの意に沿わない強制結婚から逃れるため、父ダナオスに率いられてギリシアのアルゴスへと亡命したダナオスの娘たち(ダナイデス)の嘆願を描く悲劇です。異国風の装いで現れた彼女たちは、自らがアルゴス起源のイオの末裔であることを証明し、アルゴス王ペラスゴスに庇護を求めます。王は、嘆願を拒むことによる神の怒りと、受け入れることで生じるエジプトとの戦争という二つの危機の狭間で激しく葛藤します。娘たちが自決をほのめかして強く懇願した結果、王は市民の民会を招集し、アルゴス民は全会一致で彼女たちを自由な居留者として保護することを決定します。しかし喜びも束の間、エジプトの船団が到着し、使者が暴力的に彼女たちを拉致しようとします。再び現れた王が使者を撃退して彼女たちを城内へと迎え入れますが、結末では安全を得た安堵とともに、迫り来る戦争の予感と、婚姻の運命に対する消えない恐れが歌われます。
目次
10 チャンク
引用方式:line
- §1-136
ダナオスの娘たちのアルゴス漂着と神々への嘆願
ダナオスの娘たち(コーラス)が、エジプトの息子たちとの不本意な結婚を避けるため、父親の導きによりアルゴスの地へ到着し、ゼウスを始めとする神々に庇護を求めて嘆願する。
- §137-237
ダナオスの娘たちの祈念とアルゴス王の登場
ダナオスの娘たちは、婚姻の強制から逃れるためゼウスやアルテミスに自殺を辞さない覚悟で祈りを捧げる。父ダナオスは近づくアルゴス軍の存在を知らせ、娘たちに共同祭壇で謙虚かつ適切に振る舞うよう諭し、一同は神々に嘆願を捧げるが、そこへアルゴス王が登場し、彼らの異国風の装いを問う。
- §238-328
ペラスゴス王の問答とダナオスの娘たちの系譜
アルゴス王ペラスゴスとダナオスの娘たちが出会い、王は彼女たちの異国風の装いに驚きつつも身元を尋ね、娘たちは自分たちがアルゴス起源であることを家系の歴史を語ることで証明する。
- §329-422
ダナオスの娘たちの庇護嘆願とペラスゴス王の葛藤
ダナオスの娘たちは、アイギュプトスの息子たちとの意に沿わぬ結婚を逃れるため、アルゴス王ペラスゴスに対して集会の神々の祭壇で哀願を行い、庇護を求める。王は、哀願を拒否することによる神の怒りと、受け入れることによる新たな戦争の危険との間で激しく葛藤し、民衆の意見を募る必要があると主張する。
- §423-512
娘たちの自害の脅しとペラスゴス王の決断
ダナイデスは王に、アイギュプトスの息子たちへの引き渡しを拒むよう、首吊りの脅しを交えて強く哀願し、王は苦渋の決断を迫られつつも、ダナオスを伴って市民の説得に動き出す。
- §513-624
イオを偲ぶ合唱とアルゴス民会の庇護議決
ペラスゴス王は、民衆を説得して娘たちの受け入れを決定するために民会を召集すべく退場する。その間、コーラスはゼウスに対して自分たちの起源であるイオの放浪の歴史を回想しつつ哀願の歌を捧げ、その後戻ってきたダナオスから、アルゴスの民が彼女たちを自由な居留者として保護することを全会一致で議決したという吉報を受け取る。
- §625-746
アルゴスへの感謝の祈りとエジプト船団の接近
ダナオスの娘たちはアルゴスの人々に感謝を捧げ、都市の繁栄と平和を願う祝祷を歌う。歌が終わるとダナオスが戻り、エジプト船団の接近を告げて恐怖する娘たちを励ます。
- §747-869
ダナオスの救援要請とエジプトの使者の脅迫
ダナオスはダナイデスに、エジプト軍に警戒しつつ神々を敬うよう説いて助けを求めに出発する。残されたダナイデスが絶望と恐怖の祈りを捧げる中、エジプトの使者が現れ、彼女らを力ずくで船へ連行しようとする。
- §870-966
ペラスゴスの介入とエジプトの使者の追放
エジプトの使者がダナオスの娘たちを船へ拉致しようと暴力を振るう中、アルゴス王ペラスゴスが登場して使者を威嚇し、娘たちを力ずくで渡さないという民会の確固たる決議を宣告して使者を退け、彼女たちをアルゴス城内へと迎え入れる。
- §967-1073
ダナオスの訓戒とダナイデスの祈りの合唱
ペラスゴス王と父ダナオスはダナイデスにアルゴスでの安全な住処を提供し、ダナオスは彼女たちに貞潔を守るよう厳しく諭します。その後の合唱では、アルゴスの神々を讃える歌と、避けられぬ婚姻の運命に対する恐れ、そしてゼウスへの救済の祈りが交互に歌われます。
