ルキアノス · Lucian
『お雇い教師』の弁明
"Apology for ""On Salaried Posts in Great Houses"""
ギリシア語原文(原典)と日本語・英語・中国語・韓国語の対訳・語釈を、全文無料・登録不要で公開しています。
底本
Lucian, Vol. 6. Kilburn, Kenneth, editor. London: William Heinemann, Ltd.; Cambridge, MA: Harvard University Press, 1959 (unrenewed copyright).
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA 4.0
元ファイル: urn:cts:greekLit:tlg0062.tlg059.perseus-grc3
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翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
AI校閲 2026-09-22:検出 Gemini 3.8 Flash/判定 Gemini 3.8 Flash・GPT-6 Astra — 日本語訳 3 件を修正
反映した修正(日本語訳と原文):AI校閲 3 件
最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
本作は、かつて富豪に雇われる知識人の悲惨な境遇を批判する著作『雇われ人に就いて』を執筆した著者が、自ら宮廷の公職に就いたという矛盾について弁明する修辞学的作品です。冒頭では、友人サビノスが著者の言行不一致をどのように嘲笑し批判するかを、寓話や悲劇役者の例を交えながら自問自答の形式で辛辣に描き出します。これに対し著者は、運命や貧困を言い訳にする安易な自己弁護を一旦はすべて退けます。その上で、私的な富豪に隷従する「雇われ人」と、公共の利益のために皇帝に仕える「公職」との間には決定的な違いがあると強く主張します。最後に著者は、自らがエジプトで担う重要な公職の具体的な職務を明かし、社会に仕える者は皇帝自身を含めて報酬を得ていることを指摘しつつ、友人からの偏見に対して誇り高く自己の立場を擁護します。
目次
4 チャンク
引用方式:section
- §1-3
仕官に対するサビノスの嘲笑の予想
著者は、友人サビノスが自著『雇われ人に就いて』の鋭い批判と、現在の著者の宮廷への出仕という現実の矛盾について、どのように嘲笑し批判するだろうかを想像し、サビノスの役割を自ら演じつつ彼に発言を促す。
- §4-7
言行不一致に対する様々な例証を用いた追及
サビノスによる架空の非難が続けられ、サライトスの故事、悲劇役者の本性、クレオパトラのサルの寓話、アイスキネスの偽善、咳薬売りの例を引きながら、現在の生活と言論の不一致が辛辣に暴かれる。
- §8-11
安易な弁解の否定と皇帝の公職の区別
著者は自らへの非難に対し、運命への責任転嫁や追従、貧困の言い訳など考えうる弁明を列挙したのち、それらをすべて退ける。そして、富豪への隷従と公共のために奉仕する皇帝の官職には決定的な違いがあると主張し、自らの立場を正当化する。
- §12-15
エジプトでの公職の重要性と弁明の結び
ルキアノスは自身のエジプトにおける重要な公職の内容を明かして私邸の被雇用者との決定的な違いを強調し、社会に仕える者は皇帝も含め皆報酬を得ていると主張する。また過去のソフィストとしての名声を回顧しつつ、賢者ではない一介の知識人としての限界を認めながら、友人の偏見に対して堂々たる弁明を締めくくる。
