底本
Platonis Opera, Tomus III: Tetralogia V-VII. Burnet, John, editor. Oxford: Clarendon Press, 1903.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA (Perseus の利用条件による)
元ファイル: urn:cts:greekLit:tlg0059.tlg028.perseus-grc2
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翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
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最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
本作は、戦死者のための追悼演説(エピタフィオス)を主題とし、演説という修辞技法そのものの性質やアテナイ市民のアイデンティティを問う対話篇です。評議場から戻ったメネクセノスに、ソクラテスは自分の弁論の師であるアスパシアから授かったという追悼演説を披露し始めます。演説の前半では、アテナイの「母なる大地」や平等な国制が称賛され、ペルシア戦争における先祖たちの英雄的な功績が語られます。後半では、ギリシア人同士の戦いや内乱におけるアテナイの寛大さが振り返られ、最後に戦死者たちから遺族への訓戒が代弁されます。ソクラテスが語るこの架空の演説は、読者に国家の栄光と個人の美徳のあり方について深く再考させる形で締めくくられます。
目次
8 チャンク
引用方式:section
- §234-235
追悼演説の選考と弁論術の師アスパシア
評議場から戻ったメネクセノスは、戦死者の追悼演説者が選出されようとしていることを語る。ソクラテスは追悼演説が聴衆に与える魅惑的な効果を皮肉り、自分の弁論の師がアスパシアであることを明かす。
- §236-237
アスパシアの演説と母なるアテナイの大地
ソクラテスはもう一人の教師であるコノスについて言及し、アスパシアから聞いたという追悼演説を暗唱し始める。その演説は、アテナイの土地がいかに神々に愛され、人間を生み出した「母」であるかを称賛することから始まる。
- §238-239
アテナイの平等な国制と対ペルシア戦功の讃美
ソクラテスは、アテナイの土地が人間を産み育てた証拠としての農作物の豊かさを論じ、平等な出生に基づくアテナイの国制(民衆の支持を伴う貴族政)が自由を保証してきた歴史を説明する。さらに、先祖たちが残した偉大な功績のうち、ペルシアの侵略を阻止した戦いについて語り始める。
- §240-241
マラトンの勝利とペルシア戦争における諸戦功
ペルシアによるアジアの覇権とギリシアへの侵攻、とりわけエレトリアの攻略とマラトンの戦いについて語り、マラトンでの勝利がギリシアの自由の源泉となったことを称賛する。さらに、サラミスやアルテミシオンでの海戦、プラタイアの陸戦、そしてエウリュメドン、キプロス、エジプトなどの遠征によってペルシアを退けた先祖たちの偉業を称える。
- §242-243
ギリシア人同士の争いとシケリア遠征における戦功
ソクラテスは、ペルシア戦争後のギリシア人同士の争いにおけるアテナイ人の美徳を称賛します。続いてシケリア遠征や内乱においてアテナイ人が示した、不屈の精神と寛大さを振り返ります。
- §244-245
内乱後の市民の和解とギリシア救援の戦功
ソクラテスは、内戦後のアテナイ市民の驚くべき寛大さと和解について語り、さらにその後に再び危機に瀕したギリシア諸国やペルシア王をもアテナイが救い出した歴史を説明します。また、アテナイ人が同胞を野蛮人に引き渡すことを拒み通した唯一の国であることを示し、純粋なギリシア人としての誇りと強さを称賛します。
- §246-247
戦死者から残された子と父母への遺訓
ソクラテスは、近年の戦争で戦死した者たちを讃え、彼らが残された子孫と父母に向けて伝えるであろうとされる、美徳と勇気をもって高潔に生きるべきだという訓戒を代弁する。
- §248-249
遺族への慰めと演説の結び
ソクラテスは、自己に依拠する賢者の態度について語り、遺族たちが嘆き悲しむことなく、国からの十分な支援と栄誉を受け入れるよう求める。さらに、アスパシアから聞いたとされるこの演説を終え、メネクセノスとアスパシアの知恵について言葉を交わす。
