底本
Platonis Opera, Tomus III: Tetralogia V-VII. Burnet, John, editor. Oxford: Clarendon Press, 1903.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA (Perseus の利用条件による)
元ファイル: urn:cts:greekLit:tlg0059.tlg017.perseus-grc2
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翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
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反映した修正(日本語訳と原文):AI校閲 9 件
最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
本作は、若きテアゲスが知恵を求めてソクラテスに弟子入りを志願する過程を描いた対話篇です。物語は、父親のデモドコスが息子の教育についてソクラテスに相談するところから始まります。ソクラテスは対話を通じて、テアゲスが求める「知恵」の正体が人間を支配する技術であることを暴き、高名な政治家に学ぶことの是非を議論します。テアゲスがソクラテス自身への弟子入りを強く懇願すると、ソクラテスは自分に教育能力はないと謙遜しつつ、自らの行動を導く「ダイモニオン(神霊の声)」の存在について語り始めます。ソクラテスは、この神霊の導きによって弟子たちの成否が左右されるという不思議な作用を実例を挙げて説明します。最終的に、テアゲスたちは実際に共同生活を送り、神霊が二人の結びつきを許すかどうか試してみることで合意し、対話は幕を閉じます。
目次
8 チャンク
引用方式:section
- §121-122
息子の教育についての相談と知者への問い
デモドコスは息子のテアゲスがソフィストに学ぶことを熱望しているとソクラテスに相談する。ソクラテスは、相談を実りあるものにするために、まずはテアゲス自身にその真意と「知者」の定義を問うて本質を明らかにしようとする。
- §123
テアゲスが求める支配の知恵の吟味
ソクラテスはテアゲスに対し、彼が求める「知恵」の正体を明らかにするため、操船術や御者術、医術などの専門知識を例に引きながら、それが具体的にどのような人々を支配する知識なのかを問いかける。
- §124-125
支配の知恵としての僭主術の暴露と師の選定
ソクラテスはテアゲスの求める「人間を支配する知恵」の正体が、一般市民や職人すべてを支配する「僭主の術」であることを暴き出し、父親のデモドコスを巻き込んで、テアゲスを誰の弟子にすべきかをエウリピデスの詩を引用しながらからかい交じりに議論する。
- §126
同意に基づく支配と政治家の知恵の伝授可能性
テアゲスは力による支配(僭主)ではなく、同意に基づく優れた政治的支配を求めていると弁解する。ソクラテスは、それならば政治家たちに学ぶべきだと指摘するが、テアゲスは高名な政治家の息子たちが全く大成していない事実を挙げ、彼らの知恵の伝授可能性を疑う。
- §127
他者の推薦とソクラテスへの入門の懇願
ソクラテスはテアゲスに対し、アテナイの著名な市民を師として紹介すると提案するが、テアゲスと父デモドコスはソクラテス自身に指導を強く懇願する。ソクラテスは、名誉ある地位を持つ父デモドコス自身ではなく、なぜ自分のような無位無冠の者にこれほど期待するのかと困惑を示す。
- §128
ソクラテスの謙遜とダイモニオンの告白
ソクラテスは自分に教育の知恵はなく「愛の技術」しか知らないと語り、有名なソフィストたちのところへ行くよう勧めるが、テアゲスは彼に強く弟子入りを望む。これを受け、ソクラテスは自身の行動を方向付ける「ダイモニオン(精霊の声)」について語り始める。
- §129
ダイモニオンの警告とティマルコスの悲劇
ソクラテスは、ダイモニオン(神霊)の警告を無視して悲惨な最期を遂げたティマルコスの具体的なエピソードや、現在遠征中のサンニオンの運命について予言を語り、この精霊的な力が自身の交友関係に及ぼす決定的な影響力を説明する。
- §130-131
アリスティデスの例と師弟関係の試行の合意
ソクラテスは、自分と物理的に接触している時だけ進歩し、離れるとその力を失ったアリスティデスの例を挙げ、自身のダイモニオンの作用の不確実さを語る。これを聞いたテアゲスとデモドコスは、実際に共同生活を始めてその兆候を確かめてみようと提案し、ソクラテスも同意する。
