デモステネス · Demosthenes
第五十三弁論 ニコストラトスへの抗弁
Against Nicostratus
ギリシア語原文(原典)と日本語・英語・中国語・韓国語の対訳・語釈を、全文無料・登録不要で公開しています。
底本
Demosthenes. Orationes, Vol. III. Rennie, W., editor. Oxford: Clarendon Press, 1931.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA (Perseus の利用条件による)
元ファイル: urn:cts:greekLit:tlg0014.tlg053.perseus-grc2
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翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
AI校閲 2026-09-22:検出 Gemini 3.8 Flash/判定 Gemini 3.8 Flash・GPT-6 Astra — 日本語訳 1 件を修正
AI校閲 2026-10-18:検出 Gemini 4 Argon/判定 Claude Opus 5.5 — 日本語訳 1 件を修正
反映した修正(日本語訳と原文):AI校閲 2 件
最終更新:2026-10-18・変更履歴の一覧
要旨
本演説は、古代アテナイの法廷を舞台に、話者アポロドロスが、かつての隣人ニコストラトスとその兄弟アレトウシオスによる裏切りと不法行為を告発する訴訟弁論です。事の発端は、アポロドロスが捕虜となったニコストラトスを救うために多額の身代金を援助したことにあります。しかし、自由の身となったニコストラトスは恩義に報いるどころか、アポロドロスの財産を騙し取るための陰謀を企て、不当な国庫債務登録や物理的な襲撃にまで及びました。これに対し、アポロドロスは報復として、アレトウシオスが所有する奴隷を国家に没収されるべき財産として登録する法的手段をとります。本演説の後半において、アポロドロスは問題の奴隷が確かにアレトウシオスの所有物であることを証拠や証言によって立証し、彼らの不誠実さを暴きつつ、財産没収の正当性を裁判員に強く訴えます。
目次
4 チャンク
引用方式:section
- §1-6
告訴の動機と捕虜となったニコストラトス
話者は、対立相手への復讐のためにアレトウシオスの奴隷を自らの名で告訴登録した理由を説明し、法律上の分け前を国家に譲渡することを宣言する。続いて、かつて親しい隣人であったニコストラトスとの関係と、話者の留守中にニコストラトスが逃亡奴隷を追う途中で捕らえられ、奴隷として売られたという背景を語り始める。
- §7-13
ニコストラトスの身代金工面と裏切りの陰謀
アポロドロスは、捕虜となった隣人ニコストラトスのために多額の身代金を援助し、さらに自身の貸家を抵当に入れて不足分を工面したが、ニコストラトスは恩を仇で返し、その金をだまし取るための陰謀を企てた。
- §14-20
アレトウシオスの陰謀と登録奴隷の所有権立証
語り手は、ニコストラトスとその兄弟アレトウシオスらが企てた、虚偽の召喚による国庫債務登録や家財の強奪、物理的な襲撃などの数々の陰謀と不法行為を暴露します。さらに、没収財産目録に登録した奴隷ケルドンとマネスが、実際にアレトウシオスの所有物であることを立証するための証言を提示します。
- §21-29
奴隷の拷問尋問の経緯と財産没収の正当性
原告は、問題の奴隷がアレトウシオスの所有である追加の証拠を提示するとともに、被告らからの拷問による奴隷引き渡しの要求(プロクレーシス)を拒否し公的拷問を求めた経緯を説明する。さらに、アレトウシオスらの不誠実さと法律の規定に基づき、登録された財産の国庫没収の正当性を訴える。
