デモステネス · Demosthenes
第五弁論 講和について
On the Peace
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底本
Demosthenes. Orationes, Vol. I. Butcher, S. H., editor. Oxford: Clarendon Press, 1903.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA (Perseus の利用条件による)
元ファイル: urn:cts:greekLit:tlg0014.tlg005.perseus-grc2
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翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
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最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
本演説は、マケドニア王フィリッポス2世との講和(フィロクラテスの平和)後のアテナイにおいて、平和条約を維持すべきか否かを民会で説得する政治弁論です。冒頭でデモステネスは、事後にしか熟議を行わない市民の悪癖を批判しつつ、自身の過去の予言が的中した実績を挙げて自説の信頼性を主張します。中盤では、自身の先見の明が私利私欲のなさに基づいていることを強調し、諸都市がアテナイに対して共同参戦する口実を与えないよう、現行の平和条約を遵守すべきだと説きます。終盤では、ギリシア諸国家の複雑な利害関係とアテナイが孤立する危険性を冷静に分析します。そして、デルポイの神殿管理権を巡る'空虚な名誉'のために、全ギリシアの諸国家を敵に回す無謀な戦争を始めるべきではないと訴え、現実的な妥協による平和の維持を結論づけます。
目次
3 チャンク
引用方式:section
- §1-9
アテナイ人の悪癖と自らの過去の予見の実績
デモステネスは、アテナイ市民が事後に熟議する悪癖を指摘しつつも、自らの過去の予言(エウボイア出兵への反対、俳優ネオプトレモスの不審な動きの看破)が的中した実績を挙げ、現在の危機においても有益な勧告を行う決意を示す。
- §10-17
無私の判断による先見の明と平和維持の提言
デモステネスは、かつての使節帰国時の予言が的中したことを振り返り、自らの先見の明が私利私欲のなさによるものであると説明します。さらに、共通の口実に基づく諸都市の共同参戦を防ぐため、現行の平和条約を維持すべきだと説きます。
- §18-25
全ギリシアを敵に回す孤立と開戦の危険
デモステネスは、ギリシアの諸国家がそれぞれの私的な不満や利益のために動いている現状を分析し、アテナイが孤立して全ギリシアを相手に無謀な戦争を始める危険性を警告します。彼は、個別の死活問題では妥協しながら、デルポイの空虚な名誉をめぐって共同の敵を招くことの愚かさを説きます。
