ソポクレス · Sophocles
コロノスのオイディプス
Oedipus at Colonus
ギリシア語原文(原典)と日本語・英語・中国語・韓国語の対訳・語釈を、全文無料・登録不要で公開しています。
底本
Sophocles, Volume 1. Storr, Francis, editor. London; New York: William Heinemann Ltd.; The Macmillan Company, 1912.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA (Perseus の利用条件による)
元ファイル: urn:cts:greekLit:tlg0011.tlg007.perseus-grc2
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翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
AI校閲 2026-09-22:検出 Gemini 3.8 Flash/判定 Gemini 3.8 Flash・GPT-6 Astra — 日本語訳 10 件・原文 3 件を修正
反映した修正(日本語訳と原文):AI校閲 13 件・表記の統一 1 件
日本語訳を再翻訳したチャンク:2
最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
本作は、悲劇的な運命によって盲目となった前テーバイ王オイディプスの最期の日々を描いたギリシア悲劇です。娘アンティゴネに導かれた流浪のオイディプスは、アテナイ近郊のコロノスにある復讐の女神たち(エウメニデス)の聖域に到着します。そこで彼はアテナイの賢王テセウスに庇護を求め、自らの死後に墓がアテナイの地を永遠に守る力となることを約束します。一方で、王位争いに勝つためにオイディプスを連れ戻そうとするテーバイのクレオンや、助力を懇願する不孝な息子ポリュネイケスが現れますが、オイディプスは彼らを烈火のごとく拒絶し、呪いを下します。テセウスの固い庇護に守られながら、ついに天からの厳かな神の合図を聞いたオイディプスは、テセウスに伴われて神秘的な最期を遂げます。残された娘たちは未来を憂いながらも、テセウスの導きで故郷テーバイへと帰路につきます。
目次
21 チャンク
引用方式:line
- §1-74
オイディプスのコロノス到着と聖域の発見
盲目のオイディプスと娘アンティゴネがアテナイ近郊のコロノスに到着し、地元の住民からそこが復讐の女神たち(エウメニデス)の聖域であることを知らされ、支配者テセウスとの面会を求める。
- §75-177
オイディプスの祈りとコロノス長老たちの登場
異邦人が去った後、オイディプスはアポロンの神託に従ってこの地で生涯を終えようと祈りを捧げる。そこへコロノスの長老たちが現れて聖地侵入を咎め、安全な場所への立ち退きを要求する。
- §178-276
オイディプスの身元告白と退去要求への抗弁
アンティゴネに導かれて安全な石座に腰を下ろしたオイディプスは、コロスの執拗な問いに屈して自身の正体がオイディプスであることを明かす。驚愕し汚染を恐れるコロスは即刻の退去を命じるが、アンティゴネはアテナイの情け深い名声にすがり、オイディプスは自らの受けた運命の受動性を主張して救いを懇願する。
- §277-356
イスメネの到着と娘たちの献身への称賛
オイディプスはコロノスの民に神託を根拠とした保護を求め、アテナイ王テセウスの到来を待つ。そこに妹イスメネが現れ、家で怠慢を貪る兄弟たちをエジプトの風習に例えて非難し、過酷な旅を共にする娘たちの献身的な看護と支援を称える。
- §357-433
王位争いの知らせとオイディプスの息子たちへの呪い
イスメネは、オイディプスの息子たちが王位を争って兄を追放したこと、オイディプスの埋葬地に関する新たな神託、そしてオイディプスを自国の支配下に置こうとするクレオンの来訪計画を伝える。これを聞いたオイディプスは、自分を追放した息子たちを激しく呪う。
- §434-510
息子たちへの非難と復讐の女神への浄めの儀式
オイディプスは、かつて自分が追放を求めていた時には助けなかったのに、今になって自分を呼び戻そうとする息子たちやテーバイの人々を激しく非難し、コロノスの聖なる女神たちに庇護を求める。コロノスの長老は復讐の女神たち(エウメニデス)への清めの儀式の手順を教え、イスメネが父に代わって儀式を行うために出発する。
- §511-594
オイディプスの弁明とテセウスによる庇護の約束
長老たちはオイディプスの近親相姦と父親殺しの過去を厳しく問い質し、オイディプスはそれが無知による悲劇であったと弁明する。そこへアテナイの王テセウスが到着し、自身も流浪を経験した者としてオイディプスへの庇護を約束すると、オイディプスは自らの死後にアテナイにもたらされる永続的な利益をテセウスに提示する。
- §595-670
オイディプスの予言とテセウスの誓約
オイディプスはテセウスに対し、将来アテナイとテーバイが敵対関係に陥り、自分の遺体がアテナイを守る力になるという予言を伝える。テセウスは彼の申し出を歓迎し、保護を誓って、引き渡しを要求するテーバイ勢力からの防衛を約束する。
- §671-768
コロノス賛歌とクレオンの到来と帰国の説得
コーラスがコロノスの美しさとアテナイの比類なき恵みを称える中、テーバイのクレオンが従者たちを引き連れて登場する。クレオンはオイディプスの窮状と娘アンティゴネの困窮を嘆きつつ、彼にテーバイの故郷へ戻るよう説得を試みるが、オイディプスは彼の狡猾な思惑を見抜き、激しく反論し始める。
- §769-840a
オイディプスの拒絶とクレオンによる娘たちの強奪
オイディプスはクレオンの欺瞞に満ちた説得を激しく拒絶し、息子たちやテーバイに対する自らの復讐を預言する。怒ったクレオンは、オイディプスの二人の娘を力ずくで連れ去ろうと実力行使に及び、止めようとするコロスと衝突する。
- §841-918
クレオンによる拉致の試みとテセウスの介入
クレオンがオイディプスの二人の娘に続いてオイディプス自身をも力ずくで連れ去ろうと暴挙に及ぶ中、コロスが抵抗し、アテナイの王テセウスが駆けつけてクレオンを厳しく非難し、娘たちの奪還を命じる。
- §919-992
テセウスの糾弾とオイディプスの無実の主張
テセウスはクレオンの無法な暴挙を厳しく咎め、直ちに娘たちを連れ戻すよう命じる。これに対しクレオンはアテナイの厳格な法廷を引き合いに出して自らを正当化しようとし、オイディプスは運命の不可避性と自らの無実を激しく主張して反論する。
- §993-1091
オイディプスの反駁と娘たちの救出への出陣
オイディプスは、自分が知らずに犯した罪の不可抗力性をテセウスらの前で改めて主張し、不当に娘たちを連れ去ったクレオンを非難する。これを受けてテセウスはクレオンに娘たちの拘束場所へ案内するよう命じ、誘拐犯たちの追跡と救出を誓うと、歌隊は激しい追撃の戦いと勝利を予感する歌をうたう。
- §1092-1167
娘たちとの再会と祭壇の嘆願者の知らせ
テセウスによって救出されたアンティゴネとイスメネがオイディプスの元へ戻り、再会を喜び合う。テセウスは、ポセイドンの祭壇にオイディプスの親族を名乗る人物が座り込み、短い面会を求めていることを告げる。
- §1168-1258
ポリュネイケスとの引見承諾と老年の哀歌
テセウスの説得と娘アンティゴネの懇願を受け、オイディプスは憎むべき息子ポリュネイケスと面会することを苦渋の決断として受け入れる。続いてコーラスが老年の苦難と人生の儚さを歌い上げる中、ポリュネイケスが涙を流しながら登場する。
- §1259-1340
ポリュネイケスの悔悟と父への加護の懇願
ポリュネイケスが到着し、父オイディプスの無残な姿を嘆き、自らの不孝を詫びる。彼はアルゴスから募った七人の将軍の軍勢をテーバイに率いる計画を説明し、神託が父の味方する側に勝利をもたらすと告げているとして、その助力を切に懇願する。
- §1341-1416
オイディプスの呪いとポリュネイケスの埋葬の願い
オイディプスは、自分を放浪の身へと追いやったポリュネイケスの不孝を烈火のごとく非難し、彼とエテオクレスの双方が相討ちになって死ぬという恐ろしい呪いを与える。過酷な宿命の呪いを受けたポリュネイケスは、悲痛な運命を予感しつつも妹たちに死後の埋葬を頼み、アンティゴネは彼に軍を退くよう懇願する。
- §1417-1505
ポリュネイケスの出立と死期を告げる雷鳴
アンティゴネはポリュネイケスに撤退を懇願するが、彼は運命に従って去っていく。その後、激しい雷鳴が響き渡り、オイディプスは自身の死期を悟ってテセウスを急ぎ呼び寄せる。
- §1506-1592
オイディプスの遺言と死出の地への出立
オイディプスはテセウスに、都の安全を守るために自分の埋葬場所を秘密にするよう遺言し、神の促しに従って娘たちを伴い、案内者なしで自ら死出の地へと歩み始める。その後、使者が現れてオイディプスの最期の様子を語り始める。
- §1593-1672
使者によるオイディプスの神秘的な最期の報告
使者は、オイディプスが娘たちやテセウスに最後の別れを告げ、神秘的な神の声に導かれて、穏やかに大地の底へと消え去った驚異的な最期の顛末を報告する。
- §1673-1779
娘たちの哀哭とテセウスによるテーバイへの送還の約束
オイディプスの死を知ったアンティゴネとイスメネは、自分たちの不確かな未来を嘆き哀哭する。テセウスは、誰もオイディプスの墓に近づけないという誓いを彼女たちに伝え、彼女たちの願いを受け入れて太古のテーバイへ送ることを約束する。
