イソクラテス · Isocrates
カリマコスを駁す
Against Callimachus
ギリシア語原文(原典)と日本語・英語・中国語・韓国語の対訳・語釈を、全文無料・登録不要で公開しています。
底本
Isocrates, Vol. 3. Van Hook, Larue, editor. Cambridge, MA, Harvard University Press; London, William Heinemann Ltd., 1945 (printing).
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA (Perseus の利用条件による)
元ファイル: urn:cts:greekLit:tlg0010.tlg002.perseus-grc2
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翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
AI校閲 2026-09-22:検出 Gemini 3.8 Flash/判定 Gemini 3.8 Flash・GPT-6 Astra — 日本語訳 6 件・原文 10 件を修正
反映した修正(日本語訳と原文):AI校閲 16 件
最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
本作は、アテナイの三十人僭主政権崩壊後に結ばれた和解協定(アムネスティ)を背景とし、原告カリマコスによる不当な訴訟に対抗して被告が法廷で行った抗弁(パラグラペー)の演説です。語り手である被告は、すでに一度和解金によって解決した財産紛争であるにもかかわらず、カリマコスが陰謀を企てて再び巨額の訴訟を起こした経緯を説明します。弁論の主眼は、アテナイの平和と社会秩序の基盤である和解協定の遵守に置かれ、これが国家の国際的信頼に直結することが力説されます。さらに被告は、カリマコスの不実な人格を証明するために、彼が過去に重ねた卑劣な偽証や虚偽の殺人告発事件を暴き出します。最後に、自身が三段櫂船の維持などを通じて国家に捧げた多大な奉仕実績を誇りつつ、陪審員に条約の厳守と正義の執行を強く求めて弁論を締めくくります。
目次
7 チャンク
引用方式:section
- §1-9
抗弁に関する法律の解説と事件の発端
被告である語り手は、原告カリマコスによる訴訟が和解条約に違反していると主張し、まず抗弁手続き(パラグラペー)に関する法律を説明した上で、訴訟の原因となった財産没収をめぐる過去の経緯を語り始める。
- §10-17
和解の成立とカリマコスによる再度の不当な訴訟
被告は、知人の助言に従ってカリマコスに二百ドラクマを支払い、ニコマコスの仲裁のもとで和解が成立した経緯を述べる。その後カリマコスがクセノティモスと共謀して再び一万ドラクマの訴訟を起こしたことについて、彼の無実とカリマコスの不当な告発を過去の実績や状況証拠から論証する。
- §18-28
アムネスティ協定の条項と誓約遵守の訴願
被告は、三十人政権の直後という混乱期に自分が不義を働くはずがないこと、およびアテナイの和解協定(アムネスティ)が訴訟を明示的に禁止していることを指摘し、陪審員に誓約と協定の遵守を強く求める。
- §29-38
和解協定の意義とカリマコスの哀訴への反論
弁論者は、アテナイが危機的状況下で締結した和解協定の歴史的意義と、それを遵守することが国家の国際的信頼や内政の安定に不可欠であることを力説する。そして、敗訴すれば多額の罰金を科されると哀訴するであろうカリマコスの議論が、私的な利益追求と誣告に過ぎないことを厳しく批判する。
- §39-48
協定違反者への処罰要求とカリマコスの過去の暴露
カリマコスには今でも訴訟を取り下げる選択肢があることを指摘し、彼の身勝手な態度を糾弾する。さらに、本訴訟がアテナイの和解(協定)の維持や今後の秩序に与える多大な影響を説き、協定を破る者への厳罰を求めるとともに、カリマコスの非協力的な過去を暴露する。
- §49-58
カリマコスの敵前逃走と偽証による殺人誣告
語り手は、カリマコスが過去に重ねてきた卑劣な逃亡と偽証の歴史を暴露し、特に生存する女奴隷を死んだと偽って無実の市民に殺人罪を着せようとした悪名高い事件を挙げて、彼の嘘つきで誣告を好む本性を厳しく批判する。
- §59-68
語り手の過去の公的奉仕と条約遵守の訴え
語り手は、かつてアテナイの危機において自身が三段櫂船の維持や穀物の輸入といった多大な奉仕を行った実績を語り、市民の正義感に訴え、条約の遵守を求めます。
