プルタルコス · Plutarch
デモステネスとキケロの比較
Comparison of Demosthenes with Cicero
ギリシア語原文(原典)と日本語・英語・中国語・韓国語の対訳・語釈を、全文無料・登録不要で公開しています。
底本
Plutarch. Plutarch's Lives, Vol. VII. Perrin, Bernadotte, editor. Cambridge, MA: Harvard University Press; London: William Heinemann Ltd., 1919.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA (Perseus の利用条件による)
元ファイル: urn:cts:greekLit:tlg0007.tlg056.perseus-grc2
Humanitext がクローン・再構成し、継続的に更新しています。
翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
AI校閲 2026-09-22:検出 Gemini 3.8 Flash/判定 Gemini 3.8 Flash・GPT-6 Astra — 原文 3 件を修正
反映した修正(日本語訳と原文):AI校閲 3 件・表記の統一 1 件
最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
本作は、古代ギリシアの偉大な弁論家デモステネスと、共和政ローマの政治家・文筆家キケロの生涯と人品を詳細に比較した対比列伝の結びの論考です。著者はまず、両者の弁論における能力や文体の違いに焦点を当て、デモステネスの真剣さとキケロの滑稽さや博学さを対比します。続いて自己表現の姿勢が取り上げられ、自己賛美に耽るキケロと、謙虚さを保ったデモステネスの違いが浮き彫りにされます。さらに、政治的能力や金銭に対する態度が比較され、キケロの清廉潔白さに対して、デモステネスの金銭的スキャンダルが指摘されます。最後に、二人の亡命時における活動の差異や、対照的な最期の瞬間(デモステネスの気高き服毒死とキケロの哀れな死)を描き、両雄の生涯を総括しています。
目次
5 チャンク
引用方式:chapter.section
- §1.1-1.6
二人の弁論の技量と文体および気質の比較
デモステネスとキケロの両者の弁論における能力、文体、そして性格や顔立ちの相違を比較し、デモステネスの真剣さとキケロの滑稽さや博学を対比する。
- §2.1-2.3
自己賛美と名声に対する両者の態度の比較
著者は、キケロが演説や著作において自己賛美に耽り、ソフィストのように名声を貪ったのに対し、デモステネスは自画自賛を控え、自らの弁才を謙虚に位置づけたことを対比している。
- §3.1-3.6
公職における統治能力と金銭に対する態度の比較
デモステネスとキケロの政治的能力、官職における品性の試練、および金銭に対する態度を対比し、特にキケロの清廉さとデモステネスの金銭的スキャンダルを浮き彫りにする。
- §4.1-4.3
亡命の原因と亡命中の行動および政治的過誤の比較
デモステネスとキケロの亡命の対照的な原因と態度、デモステネスが亡命先でも活動を続けたのに対しキケロが無為であったこと、そしてキケロがカエサルの独裁を許したとして受けた非難について描かれる。
- §5.1
キケロの死とデモステネスの自死の比較
キケロとデモステネスの最期の比較。キケロの死が哀れで惨めなものであったのに対し、デモステネスの毒殺による死は準備・使用ともにお見事であり、敵の残虐さを嘲笑うものであったと評する。
