底本
Euripides. Euripidis Fabulae, Vol. III. Murray, Gilbert, editor. Oxford: Clarendon Press, 1913. (Reprinted 1920-1978)
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA 4.0
元ファイル: urn:cts:greekLit:tlg0006.tlg017.perseus-grc2
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翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
AI校閲 2026-09-22:検出 Gemini 3.8 Flash/判定 Gemini 3.8 Flash・GPT-6 Astra — 日本語訳 8 件・原文 1 件を修正
反映した修正(日本語訳と原文):AI校閲 9 件・表記の統一 2 件
日本語訳を再翻訳したチャンク:1
最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
本作は、新神ディオニュソスの神性を拒むテバイの王ペンテウスと、自らの崇拝を要求する神との破滅的な対立を描いたギリシア悲劇です。舞台となるテバイに降臨したディオニュソスは、自らを侮辱する王家への復讐として、街の女性たちを狂乱させてキタイロン山へと奔らせます。王ペンテウスは新興の宗教を弾圧しようとしますが、人間の姿に変装したディオニュソスに翻弄され、女たちの儀式を偵察するために自らも女装して山へと向かいます。しかし、山中でペンテウスは、狂気にとらわれた実の母アガウエらの手によって無残に八つ裂きにされてしまいます。やがて正気に戻ったアガウエが息子の死という過酷な現実を悟る中、最後に神としての姿を現したディオニュソスが一族にさらなる追放の神罰を宣告し、悲痛な別れとともに劇は結ばれます。
目次
15 チャンク
引用方式:line
- §1-100
ディオニュソスのテーバイ到来と信徒たちの合唱
ディオニュソスがテバイに人間の姿で到着し、彼の神性を認めない親族への報復として女たちを狂わせたことを語り、信徒たち(コーラス)がアジアからの旅とディオニュソスの誕生の神話を歌う。
- §101-212
信徒の讃歌と老いたカドモスたちの出立の準備
コロスがディオニュソスの神秘的な誕生と狂宴を称えた後、老いたテイレシアスとカドモスが神を祀るために手を携えて山へ向かおうとする。
- §213-298
ペンテウスの糾弾とテイレシアスの弁明
帰国したペンテウスが、女性たちが狂乱の祭儀に耽っている現状と、新神ディオニュソスやその信奉者とされる異邦人を非難し、さらに信徒の装いをしたカドモスとテイレシアスを面罵する。これに対し、テイレシアスはディオニュソスの神性と人間への恵みを説き、ペンテウスの無知を諭す。
- §299-383
テイレシアスの諌言とペンテウスの捕縛命令
テイレシアスはディオニュソスの持つ予言や軍事の力、そしてその倫理的な妥当性を説いてペンテウスに節度を求めるが、ペンテウスは激怒してテイレシアスの鳥占い所を破壊し、異邦人の捕縛を命令する。これに対し、テイレシアスとカドモスは神への奉仕へと向かい、コーラスはペンテウスの不敬を嘆く。
- §384-481
異邦人の若者の捕縛とペンテウスによる尋問
歌隊が人間の小賢しい知恵を戒めて神への敬虔さを称える中、捕縛された見目麗しい異邦人の若者(ディオニュソス)が連行され、ペンテウスによる執拗な尋問が開始される。
- §482-584
異邦人の投獄と合唱隊によるディルケへの祈り
ペンテウスと異邦人の対立が激化し、異邦人は監禁を命じられる。その後、合唱団はディルケ川に訴えかけ、神の救済を懇願し、最後にディオニュソスの奇跡的な声が響きわたる。
- §585-666
宮殿の崩壊と異邦人の脱出、伝令の到着
地震によって宮殿が崩壊する中、無事に脱出したディオニュソス(異邦人)が信女たちにペンテウスを翻弄した顛末を語り、その後ペンテウスと対峙して言葉を交わす。そこへ、キタイロン山から信女たちの狂乱の様子を報告しに伝令がやって来る。
- §667-753
使者による信女たちの奇跡と狂乱の報告
キタイロン山から戻った使者が王ペンテウスに対し、山中でのバッコスの信女たちの驚くべき奇跡と、彼女たちが野生の猛獣のように家畜を素手で引き裂き村々を襲撃した暴動の様子を報告する。
- §754-834
ディオニュソスによるペンテウスへの女装の説得
使者の報告は女たちの奇跡的な勝利で終わり、ペンテウスは激怒して軍隊の出動を命じる。しかし、旅人の姿をしたディオニュソスはペンテウスの好奇心を巧みに刺激し、女たちの狂乱を密かに偵察するために、彼に女装するよう説得する。
- §835-930
女装を受け入れたペンテウスの出立と狂気
ペンテウスは偵察のため女装を受け入れ、ディオニュソスに先導されて出発する。合唱が神罰の正しさと幸福を歌った後、幻覚に惑わされたペンテウスが女装して現れる。
- §931-1027
女装を整えたペンテウスの出立と神罰の合唱
狂気と幻覚に囚われたペンテウスは、ディオニュソスに女装を整えられながら過剰な万能感を抱き、キタイロン山へと出発します。その後、合唱(コーラス)は神罰の正義を求め、使者がカドモス家の没落を嘆きながら登場します。
- §1028-1116
使者によるペンテウスの悲惨な死の報告
使者が宮殿に戻り、ペンテウスがキタイロン山でディオニュソスに導かれて木の上に座らされ、その後狂乱した母アガウエと信女たちに発見されて襲撃される凄惨な最期を報告し始める。
- §1117-1220
ペンテウスの八つ裂きとアガウエの凱旋
使者はペンテウスの無惨な八つ裂きの最期を詳述し、狂気の中で彼の頭部を獅子と思い込んだ母アガウエの帰還を予言する。その後、帰還したアガウエがコーラスに戦利品を誇る凄惨な対話が行われる。
- §1221-1303
正気を取り戻したアガウエと我が子の死の認識
カドモスはペンテウスの遺体を集めて戻り、狂った娘たちを目撃する。アガウエは我が子ペンテウスを殺したとも知らずにその頭部を獲物として自慢するが、カドモスの導きによって徐々に正気を取り戻し、自分が犯した恐ろしい惨劇を自覚する。
- §1304-1392
ディオニュソスによる宣告と一族の追放
カドモスとアガウエはペンテウスの悲惨な死を深く嘆き、王家の一族に課された過酷な運命を呪う。降臨したディオニュソスは神罰としての流刑と異形への変身を宣告し、一同は涙ながらの悲痛な別れを告げ、コーラスによる神の神秘の称賛で劇が結ばれる。
