底本
Euripides. Euripidis Fabulae, Vol. III. Murray, Gilbert, editor. Oxford: Clarendon Press, 1913. (Reprinted 1920-1978)
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA 4.0
元ファイル: urn:cts:greekLit:tlg0006.tlg016.perseus-grc2
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翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
AI校閲 2026-09-22:検出 Gemini 3.8 Flash/判定 Gemini 3.8 Flash・GPT-6 Astra — 日本語訳 8 件を修正
AI校閲 2026-10-12:検出 Gemini 3.8 Flash/判定 Claude Opus 5.5 — 日本語訳の修正なし
反映した修正(日本語訳と原文):AI校閲 8 件
日本語訳を再翻訳したチャンク:1
最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
本作は、父アガメムノンの仇討ちとして実母を殺害したオレステスと、その姉エレクトラが直面する過酷な運命を描くギリシア悲劇です。母殺しの罪により狂気に苦しむオレステスは、アルゴス市民から死刑を宣告される危機に瀕しています。二人はトロイアから帰還した叔父メネラオスに救いを求めますが、裏切りに遭い、民会で自決を命じられてしまいます。絶望した姉弟は、忠実な友ピュラデスとともに、メネラオスへの復讐としてその妻ヘレネの暗殺と娘ヘルミオネの拉致を企てます。計画は混乱を極め、屋根の上で人質を盾にメネラオスと対峙する一触即発の事態となりますが、最終的にアポロン神が突如現れて神託を授け、争いに終止符が打たれます。
目次
20 チャンク
引用方式:line
- §1-82
エレクトラの独白とヘレネの来訪
エレクトラはタンタロス以来のタンタロス家の悲劇的な歴史を振り返り、母殺しの罪で病に伏すオレステスと自分たちがアルゴス市民から石打ち刑に処される危機にあることを語る。そこへ、トロイアから帰還したヘレネが現れ、二人の安否を尋ねて対話が始まる。
- §83-170
ヘルミオネの墓参と眠るオレステス
ヘレネはクリュタイムネストラの墓参を娘ヘルミオネに代行させる。エレクトラはヘレネの虚栄心を非難し、その後現れたコロスとともに、眠るオレステスを起こさないよう静寂を保ちながら容態について囁き合う。
- §171-265
オレステスの目覚めと狂気の再発
眠りから目覚めて一時的に正気を取り戻したオレステスはエレクトラの介抱を受けるが、メネラオスの帰還とヘレネの同行を聞いた途端に、再び復讐の女神たち(エリーニュス)の幻覚に襲われて発狂する。
- §266-359
オレステスの正気回復とメネラオスの到着
オレステスは一時的に狂気から回復し、看病によって衰弱したエレクトラに休息を勧め、互いに支え合うことを誓う。エレクトラが去った後、コーラスがオレステスの救済を求める歌を歌う中、メネラオスが帰還する。
- §360-437
オレステスの母殺しの告白とメネラオスへの救援要請
メネラオスとオレステスの対話。メネラオスはアガメムノンの死の報を受けナウプリアへ帰還したが、変わり果てた姿のオレステスと再会する。オレステスは自らの犯した母殺しの罪とそれによる狂気の苦しみを叔父に訴え、救いを求める。
- §438-518
テュンダレオスの登場と母殺しへの非難
オレステスはメネラオスにアルゴス市民による死刑判決の危機と、自らへの支援を懇願する。そこにクリュタイムネストラの父テュンダレオスが現れ、オレステスの母殺しという不法な行為を激しく非難し、復讐の無限連鎖を止めるための法の重要性を説く。
- §519-597
テュンダレオスの法秩序の訴えとオレステスの弁明
テュンダレオスは法秩序の維持を訴えてオレステスとメネラオスを非難し、これに対してオレステスは、自らの行為が父母の役割の非対称性に基づく正当な復讐であり、アポロンの神託に従ったものであると自己弁護を展開する。
- §598-673
テュンダレオスの退場とオレステスの懇願
オレステスの態度に激怒したテュンダレオスは、アルゴスの民会で石打ちの刑を下すよう市民を扇動すると言い残して退場する。残されたオレステスはメネラオスに対し、かつてアガメムノンがメネラオスのために尽くした恩義を引いて、自分たちの救済を必死に哀願する。
- §674-749
メネラオスの拒絶とピュラデスの加勢
オレステスの必死の嘆願に対し、メネラオスは武力援助を拒み、知恵による懐柔を説いて去る。落胆するオレステスのもとに、親友ピュラデスが駆けつけ、民会の危機を報じて共闘を誓う。
- §750-820
民会への出発とアトレウス家の呪い
オレステスはピラデスから彼自身も父親に追放されたことを聞き、二人は民会に赴いて正当性を主張することを決意する。ピラデスが病床のオレステスを支えて出発した後、合唱隊はアトレウス家に伝わる血の呪いの歴史を歌う。
- §821-911
使者による民会の死刑判決の報告
コーラスがオレステスの狂気と母親殺しの忌まわしさを歌うなか、使者がエレクトラのもとに現れる。使者は民会でオレステスとエレクトラに死刑判決が下ったこと、そしてそこでの議論の様子を報告する。
- §912-1009
オレステスの自決確定と一族の呪いの嘆き
市民大会においてオレステスらの死刑を求める演説に対し、誠実な自耕農やオレステス自身が弁明するも覆せず、きょうだいの自決が確定する。コロスは一族の呪われた歴史を振り返り嘆き悲しむ。
- §1010-1086
ピュラデスの帰還とオレステスとの死の誓い
死刑を宣告されたオレステスが、彼を支えるピュラデスと共にエレクトラの元へ戻り、二人は互いの絆を確かめ合いながら自害の覚悟を決める。ピュラデスはオレステスを見捨てることを拒み、彼らと共に死ぬことを誓う。
- §1087-1165
ピュラデスによるヘレネ暗殺の提案
ピュラデスはオレステスと共に死ぬ決意を語り、その上でメネラオスへの復讐としてヘレネを暗殺する計画を提案する。オレステスは彼の友情と高貴な計画を称賛し、二人は共にヘレネ殺害に向けて具体的な手順を練り上げる。
- §1166-1245
エルミオネ捕縛の計略と亡父への祈り
オレステスはメネラオスへの復讐を誓い、エレクトラは人質としてヘレネの娘エルミオネを捕らえる計画を提案する。3人はこれを承認し、冥界のアガメムノンの霊に助けを祈る。
- §1246-1346
ヘレネの悲鳴とエルミオネの誘い込み
エレクトラと合唱は家の外で見張りをしてヘレネ殺害の決行を待ち、家の中からヘレネの悲鳴を聞く。そこへ墓参りから戻ったエルミオネが現れると、エレクトラは言葉巧みに彼女を家の中へ誘導し、人質にするため家の中の仲間たちに合図を送る。
- §1347-1455
エルミオネの捕縛とフリュギア人の報告
エルミオネは館の中で捕らえられ、合唱はヘレネ殺害を隠すために騒ぎを立てる。そこへ館から脱出したフリュギア人の召使いが現れ、オレステスとピュラデスがヘレネを罠にかけ、召使いたちを幽閉した顛末を語り始める。
- §1456-1532
ヘレネの消失とフリュギア人の命乞い
フリュギア人の召使いがオレステスとピュラデスによるヘレネ襲撃と彼女の怪奇な消失を報告する。その後、館から現れたオレステスが逃亡した召使いを捕らえて脅し、ユーモラスな命乞い対話の末に命を救う。
- §1533-1608b
エルミオネを人質にとるオレステスとメネラオスの対峙
オレステスはメネラオスが軍勢を率いて来ればエルミオネを殺すと脅す。館の前に到着したメネラオスは、屋根の上からエルミオネの首に剣を突きつけているオレステスたちと対峙し、ヘレネの死や今後の支配権を巡って激しい議論を交わす。
- §1609-1693
アポロンの顕現と争いの終結
アポロンが突然現れて神々の意志を告げ、ヘレネは天へと救われ、オレステスには亡命とアテナイでの裁判、そしてヘルミオネとの婚約が決定されることで、すべての争いが解決されて幕が下りる。
