底本
Euripides. Euripidis Fabulae, Vol. II. Murray, Gilbert, editor. Oxford: Clarendon Press, 1913. (Reprinted 1921-1962)
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA 4.0
元ファイル: urn:cts:greekLit:tlg0006.tlg012.perseus-grc2
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翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
AI校閲 2026-09-22:検出 Gemini 3.8 Flash/判定 Gemini 3.8 Flash・GPT-6 Astra — 日本語訳 8 件・原文 1 件を修正
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最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
本作は、父アガメムノンの非道な殺害に対する姉弟の凄惨な復讐劇を描いたギリシア悲劇です。舞台はアルゴス郊外の貧しい農夫の家であり、身分を落とされ不本意な結婚を強いられたエレクトラが、自らの不幸と父の死を嘆く場面から始まります。そこへ密かに帰国した弟オレステスが素性を隠して現れ、老養育係の助けを得て姉弟は奇跡的な再会を果たします。二人は復讐を誓い、オレステスがアイギストスを討ち果たし、エレクトラは偽の出産報告で母クリュタイムネストラを誘い出します。オレステスは母殺しの神託に激しく葛藤しながらも、エレクトラと共に母を殺害します。しかし、復讐を成し遂げた二人に残されたのは深い罪悪感と苦悩であり、最後に現れた双子神ディオスコーロイによって、それぞれの流転の運命と別れが告げられます。
目次
15 チャンク
引用方式:line
- §1-84
農夫の独白とエレクトラおよびオレステスの登場
没落したマイケナイの農夫が、アガメムノン殺害の経緯とエレクトラとの苦難に満ちた名目的結婚生活を語る。その後エレクトラが登場し、二人の対話を経て、極秘に帰国したオレステスが友人ピュラデスへの親愛を示す。
- §85-201
オレステスの帰還とエレクトラの嘆き
オレステスがアルゴスに戻り復讐への第一歩を踏み出し、エレクトラが自らの悲惨な境遇を嘆く中、コロスが登場してエレクトラをヘラの祭典へ誘うが、彼女は悲しみゆえにこれを固辞する。
- §202-283
変装したオレステスとエレクトラの対話
エレクトラは放浪する弟オレステスと自らの境遇を嘆いていたが、隠れていた見知らぬ男たちに驚いて逃げようとする。旅人に扮したオレステスが彼女を安心させ、二人は彼女の不本意な結婚生活や復讐への強い意志について語り合う。
- §284-365
エレクトラの境遇の訴えと農夫のもてなし
エレクトラは異邦人に、自分が置かれている悲惨な境遇やアガメムノンの墓への侮辱、そして母とアイギストスへの強い復讐の意志を訴えます。そこへ彼女の夫である農夫が戻り、素性を隠した異邦人たちを寛大にもてなすため家へと招き入れます。
- §366-454
真の高貴さの省察と老僕への使い
オレステスは農夫の気高さに感銘を受け、高貴さの真の定義を論じ、もてなしを受け入れます。エレクトラと農夫は、オレステス救出の恩人である老養育係に客人のもてなしの手伝いを頼むことにし、コーラスはアキレウスの輝かしい武具と出陣の物語を歌います。
- §455-546
老僕の到着とオレステスの痕跡への懐疑
合唱がアキレウスの盾に描かれた壮麗なフリュギアの文様を歌い上げた後、アガメムノンの忠実な老養育係がエレクトラのもとに到着する。老人は墓参りの際に見つけた髪の毛などの痕跡からオレステスの帰還を疑うが、エレクトラはその認知の手がかりを合理的に否定する。
- §547-630
オレステスの確認と姉弟の再会
老僕が家に現れたオレステスの正体を、眉の上の古い傷跡から見破り、エレクトラとの奇跡的な再会が実現する。一同が再会を喜び合いつつ、老僕はアイギストスの現在の動向を伝え、復讐のための最初の手がかりを提示する。
- §631-721
復讐の謀議と黄金の羊の歌
オレステスと老人はアイギストスを奇襲する具体的な計画を立て、エレクトラはクリュタイムネストラを偽の出産報告で誘い出す計略を提案する。一同の祈りの後、オレステスらは出発し、コーラスはアトレウス家の王権を争う黄金の羊の神話について歌い始める。
- §722-813
使者の到来とアイギストス討伐の報告
コーラスがかつてアトレウス家で起きた黄金の羊の王権争いと天変地異の神話を歌う中、エレクトラのもとに使者が訪れ、オレステスが犠牲式の最中にアイギストスを討ち果たしたことを報告し始める。
- §814-903
アイギストス殺害の詳報と勝者の帰還
使者はオレステスがアイギストスを策略によって討ち取った顛末をエレクトラに報告する。エレクトラは歓喜し、帰還したオレステスとピュラデスを勝利の冠で迎える。
- §904-981
アイギストスの屍への糾弾と母殺しの葛藤
エレクトラは倒れたアイギストスの死体を前に、その不義や傲慢、富への執着を激しく非難する。続いて母クリュタイメストラが近づくのを見たオレステスは、母殺しを命じるアポロンの神託に対して激しい葛藤と疑念を抱く。
- §982-1066
クリュタイムネストラの到着と殺害の弁護
オレステスは覚悟を固めて館へと入り、王妃クリュタイムネストラが馬車で到着する。クリュタイムネストラは、アガメムノンを殺害したことは娘イフィゲネイアの犠牲に対する正当な復讐であったと自己弁護し、エレクトラがそれに対する反論を開始する。
- §1067-1146
エレクトラの反論とクリュタイムネストラの誘引
エレクトラは母クライタイムネストラのアガメムノン殺害の言い訳を厳しく退け、父の復讐を果たすことを宣言する。さらに、出産を祝う十日目の儀式という偽りの口実を用いて、母を復讐の舞台である自らの貧しい家へと誘い込む。
- §1147-1253
クリュタイムネストラの殺害と双子神の顕現
館の中からクリュタイムネストラが殺害される悲鳴が響き渡り、エレクトラとオレステスは母の遺体とともに現れ、自らの犯した罪の重さに苦悩する。そこに天からディオスコーロイが現れ、アポロンの神託の不条理を指摘しつつ、彼らの今後の運命を告げる。
- §1254-1359
双子神の託宣とオレステスたちの別れ
ディオスコーロイがオレステスとエレクトラの未来を指示し、オレステスはアテナイでの裁判によって無罪を勝ち取り放浪を終え、エレクトラはピュラデスと結婚することを告げる。兄妹は悲痛な別れを告げ、神々は敬虔な者を救うという宣言を残して去っていく。
