底本
Tertullian. Quinti Septimii Florentis Tertulliani Quae Supersunt Omnia, Volume 1. Oehler, Franz, editor. Leipzig: Weigel, 1853.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA 4.0
元ファイル: urn:cts:latinLit:stoa0276.stoa002.opp-lat1
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翻訳と校閲
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最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
テルトゥリアヌスが自身の妻に向けて、自らの死後の身の振り方について書き送った書簡形式の神学・道徳論です。作品は二つの巻から構成され、キリスト教徒としての貞潔の維持と、異教徒との結婚の回避を主題とします。第1巻では、夫の死後に再婚をせず、自制と独身生活を守ることの霊的価値が説かれます。著者は肉体の弱さを批判し、異教の祭司の節制をも引き合いに出しながら、未亡人としての貞潔がより大きな徳であることを強調します。第2巻では、人間の弱さを考慮して再婚を認める場合を扱い、その際には「主にあってのみ」、すなわち信者同士で結婚すべきであることを強く主張します。特に、異教徒の夫を持つことが日々の祈りや聖餐といったキリスト教的実践にいかに大きな障害をもたらすかが具体的に警告されます。最終的に、信者同士の理想的な結婚がもたらす神聖な祝福と調和の姿を描き出し、妻に正しい道を選ぶよう促して結ばれます。
目次
9 チャンク
引用方式:book.chapter
- §1.1-1.3
死後の再婚の自粛と独身生活の勧め
著者は妻に対し、自身の死後に再婚をせず自制を守るよう勧告し、キリスト教的観点から独身生活の価値と利点を説く。
- §1.4
肉の弱さの弁明への批判と霊的な自足の勧め
テルトゥリアヌスは、肉の弱さを言い訳にする態度を批判し、霊の強さを守るよう促す。また、キリストとの霊的な婚姻を選ぶ女性たちの模範を示し、世俗の虚栄心から生じる結婚の必要性を退けて自足することを妻に勧める。
- §1.5-1.6
子孫への執着の否定と異教の節制の例
著者は子孫を残すという結婚の口実を排し、終末における子供の存在の重荷を指摘する。さらに、異教の祭司たちが守る貞潔や節制の例を引き合いに出し、信者が再婚を避けて節制を貫くべきことを促す。
- §1.7-1.8
神の意志による未亡人の身分と節制の徳
配偶者の死による独身や未亡人の状態が神の意志によるものであること、また再婚が信仰にとって有害であることを説き、処女の純潔よりも苦難を伴う未亡人の節制がより大きな徳として栄冠を授けられるものであると強調して、妻に不当な交わりを避けて節制に励むよう勧告している。
- §2.1
主にある再婚の条件と使徒の勧告と命令の差異
著者は人間の弱さを考慮して再婚のルール(主に在ってのみ結婚すること)を提示しつつ、この議論が妻を節制から遠ざける誘惑にならないか危惧し、使徒の「勧め」と「命令」の違いを説明する。
- §2.2
異教徒との新たな婚姻の禁止とパウロの釈明
信者である女性が教会を離れて異教徒と結婚した事例を非難し、使徒パウロの言葉を釈明しながら、結婚後の改宗と新たな異宗婚の違いを明らかにしている。
- §2.3-2.4
異教徒との結婚の罪と信仰実践の妨げ
異教徒との結婚は神殿を汚す重大な罪であり、教会から排除されるべきであることを論じ、不信者の夫を持つことによってキリスト教の実践(祈り、断食、慈善、聖餐など)が著しく妨げられる現実を具体的に警告する。
- §2.5-2.7
異教徒の夫による寛容の危険と自発的な婚姻の破滅
異教徒の夫がキリスト教の慣習を容認する場合であっても、聖体の秘蹟や祈りが魔術や毒と誤解される危険、また信仰を盾に夫から財産を脅取される危険があることを警告する。さらに、結婚後に改宗した者と、最初から禁じられた異教徒との結婚に自ら進んで踏み切る者との違いを強調し、後者には破滅が待ち受けていると説く。
- §2.8
非信者との結婚の不当性と信者同士の結婚の祝福
著者はキリスト者女性が非信者と結婚することの違法性と不利益を論じ、奴隷制度の法的な類比や富裕な女性の虚栄心を批判した上で、信者同士の理想的なキリスト教的結婚の祝福に満ちた姿を生き生きと描き出します。
