コルネリウス・ネポス · Cornelius Nepos
ディオン伝
Dion
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底本
Cornelius Nepos. Cornelii Nepotis Vitae. Fleckeisen, Alfred; Halm, Karl, editors. Leipzig: Teubner, 1886.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA (Perseus の利用条件による)
元ファイル: urn:cts:latinLit:phi0588.abo010.perseus-lat2
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翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
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最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
本書は、シラクサの政治家ディオンの波乱に満ちた生涯を描いた伝記作品である。優れた素質を持つディオンは、僭主ディオニュシオス1世に重用され、哲学者プラトンをシラクサに招くが、後継のディオニュシオス2世との間に対立が生じる。僭主によって追放され家族を破滅に追い込まれたディオンは、挙兵してシラクサを解放し、僭主を追い詰めることに成功する。しかし、共同指導者ヘラクレイデスとの対立から彼を暗殺したことで、ディオン自身も支持を失い、疑惑と心労に苛まれるようになる。最終的に、かつての友であったカリクラテスの陰謀によってディオンは無残に暗殺される。彼の死後、民衆はかつての非難を一転させて彼を「祖国の解放者」として称賛し、公葬をもってその生涯を称えた。
目次
10 チャンク
引用方式:chapter.section
- §1.1-1.5
ディオンの出自と美質および僭主との親密な関係
シラクサのディオンの出自と優れた天性、および僭主ディオニュシオス1世との姻戚関係や親密な関係が紹介され、彼の外交的功績が述べられる。
- §2.1-2.5
プラトンの招聘とディオニュシオス1世の死
ディオニュシオス1世はディオンを寵愛し、彼の熱望に応じてプラトンをシラクサに招いた。後に僭主が病に倒れた際、ディオンは自身の甥たちへの王位継承を画策したが、それを察知した息子ディオニュシオス2世が医師に命じて先代の死を早めた。
- §3.1-3.3
プラトンの再招聘とフィリストスの妨害
ディオンとディオニュシオスの対立の始まりと、プラトンの影響力による王国の改革の試み、そしてフィリストスによるその阻害について。
- §4.1-4.5
ディオンの追放と家族の受難
ディオニュシオスは保身のためにディオンを追放して彼の財産を送り届けるが、ディオンの挙兵計画を聞くと、彼の妻を他者に娶らせ、彼の息子を放蕩に耽らせて堕落させた。その後、帰国した父親のもとでかつての放蕩生活を禁じられた息子は、生活の変化に耐えかねて飛び降り自殺を遂げる。
- §5.1-5.6
ディオンの挙兵とシュラクサイの掌握
ディオンとヘラクレイデスが挙兵し、ディオンは少数の軍勢ながらシュラクサイの大部分を占領することに成功する。追い詰められた僭主ディオニュシオスは、領土の分割を条件とする和平提案を余儀なくされる。
- §6.1-6.5
息子の死とヘラクレイデスの暗殺
ディオンの急激な運命の暗転が描かれ、息子の死という悲劇に続き、共同指導者のヘラクレイデスとの対立が深まってディオンが彼を暗殺するに至る経緯を説明する。
- §7.1-7.3
財産没収による支持の喪失と民衆の反発
ヘラクレイデスの殺害により人々に恐怖が広がり、ディオンは兵士への恩賞のために貴族の財産を強奪し支持を失う。悪評に直面したディオンは心労を募らせ、民衆は彼を僭主と呼んで非難する。
- §8.1-8.5
カリクラテスの偽計とディオン暗殺の謀略
カリクラテスは、ディオンを欺くため、敵を偽装して敵対者の本心を探る偽の計画を持ちかけ、ディオンの承諾を得て陰謀を組織する。計画が露見しかけると、彼はプロセルピナの神殿でディオンへの無害を誓わされるが、かえって暗殺の実行を急ぐ。
- §9.1-9.6
カリクラテスの陰謀の実行とディオンの殺害
カリクラテスは祝日に陰謀を実行に移し、ディオンの家に護衛を配して退路を断ち、丸腰のザキュントス人の若者たちを送り込んでディオンを襲撃させる。周囲が助けの手を差し伸べない中、ディオンは窓から渡された剣によって殺害される。
- §10.1-10.3
民衆の態度の急変とディオンの公葬
殺害されたディオンの遺体を見物に来た群衆の中で誤認による混乱が生じるが、彼の死が公になると世論は一変し、かつて彼を憎んだ民衆も彼を「祖国の解放者」と讃える。ディオンは公葬され、50歳でその生涯を終える。
