キケロ · Cicero
デイオタルス王弁護
In Defense of King Deiotarus
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底本
Cicero. M. Tulli Ciceronis Orationes, Vol. VI. Clark, Albert Curtis, editor. Oxford: Clarendon Press, 1918.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA (Perseus の利用条件による)
元ファイル: urn:cts:latinLit:phi0474.phi034.perseus-lat2
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翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
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反映した修正(日本語訳と原文):AI校閲 4 件
最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
本作は、ローマの政治家・弁論家キケロが、ガラティアの君主デイオタルス王をカエサル暗殺謀略の罪から救うために行った弁論です。裁判はカエサルの私邸という異例の環境で執り行われ、キケロは異例の状況への動揺を隠さずも、カエサルの公平さと寛大さに信頼を寄せて弁護を開始します。まず、デイオタルスがかつて内乱期にポンペイウス側を支援したことは当時の混乱によるやむを得ない判断であったと釈明します。次いで、王がカエサル暗殺を計画したという具体的な告発やその他の嫌疑に対し、計画の不自然さや告発側の矛盾、王の優れた徳性を挙げて悉く反駁します。さらに、奴隷をそそくして主人を告発させた原告側の不道徳さを激しく非難します。最終的に、王がカエサルの恩義に深く感謝していることを強調し、彼に破滅ではなく安全をもたらす寛大な判決を下すよう懇願して結んでいます。
目次
8 チャンク
引用方式:section
- §1-7
異例の裁判への動揺と告発者への非難
カエサルの私邸という異例の環境で行われるデイオタルス王の死罪をめぐる裁判において、キケロは自らの動揺を告白しつつ、告発者たちの非道さを非難し、カエサルの公平無私な裁きに訴えかける。
- §8-12
内乱期におけるデイオタルス王の行動の釈明
キケロはカエサルの寛大さと彼らの間の旧誼を訴え、デイオタルス王が内乱期にポンペイウスに加担した経緯を、情報不足と当時の元老院の権威によるやむを得ない判断であったと釈明する。
- §13-17
カエサルへの貢献と暗殺計画告発の不条理性
弁論はデイオタルス王がカエサルに対して尽くした数々の貢献(軍資金の提供や共同戦闘)を振り返り、王がカエサル暗殺を企てたという告発の不条理性を、その性格や道徳心から論証する。また、原告側が主張する暗殺計画の具体的な状況を提示し始める。
- §18-22
暗殺計画と軍備増強の告発に対する反論
キケロは、デイオタルス王がカエサル暗殺に武装兵を用いたという告発の不自然さや、知る者である奴隷フィディップスをローマに自由に行かせたという矛盾を突いて弁護し、さらに大軍を組織したというもう一つの告発を否定する。
- §23-27
使者派遣と中傷の告発に対する反論
キケロは、デイオタルスがカエキリウスに使者を送ったという疑惑や劣悪な騎兵を支援したという告発を否定し、さらにカエサルに対する敵意や、酒に酔って裸で踊ったという中傷を王の徳性と経歴を示して反駁する。
- §28-32
告発者カストルの不敬と奴隷買収の批判
キケロは告発者カストルの不敬と不道徳を激しく非難し、奴隷をそそくしてその主人を告発させるという行為がいかに社会の基盤を破壊するものであるかを、過去の名士ドミティウスの美徳を引き合いに出して証明する。
- §33-37
カエサルの寛大さとデイオタルスの徳
キケロは、カエサルが僭主であるという告発が根拠のない噂話に過ぎないことを論じ、カエサルの寛大さを称える。そして、デイオタルスがカエサルに対して何ら不満を抱いておらず、与えられた「王」の称号に深く感謝し、逆境にあってもその卓越した徳を保ち続けていることを強調する。
- §38-43
デイオタルスの感謝と使節たちの救済の懇願
キケロは、デイオタルス王がカエサルの慈悲に深く感謝し、安寧を得ていることを示す。また、王の使節たち(ヒエラスなど)の忠誠に言及し、カエサルの判決が彼らに不名誉な破滅ではなく、安全と名声をもたらすよう懇願する。
