底本
Cicero. M. Tulli Ciceronis Orationes, Vol. VI. Clark, Albert Curtis, editor. Oxford: Clarendon Press, 1918.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA (Perseus の利用条件による)
元ファイル: urn:cts:latinLit:phi0474.phi033.perseus-lat2
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翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
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最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
本作は、マルクス・トゥッリウス・キケロが、ローマの独裁官ガイウス・ユリウス・カエサルの前で行った、クィントゥス・リガリウスを弁護するための演説である。内戦期にポンペイウス派としてアフリカで活動したリガリウスが国家反逆罪で告発されたことを受け、キケロはカエサル自身の前で彼を擁護する。演説の前半でキケロは、告発者であるトゥベロ自身もかつてカエサルに対抗する陣営に属していた矛盾を鋭く追及し、リガリウスの行為は犯罪ではなく不条理な運命による災厄であったと主張する。後半においてキケロは、これが通常の法的な裁判ではなく、支配者の寛大さに直接訴えかける「嘆願」の形式であることを宣言する。そして、リガリウスの親族たちの悲嘆を示しつつ、神に近づく最高の徳としての「慈悲(クレメンティア)」を称賛し、リガリウスの赦免を強く求めて演説を締めくくる。
目次
7 チャンク
引用方式:section
- §1-5
告発者トゥベロへの反論とリガリウスの動機
シケロはカエサルの前でリガリウスを擁護し、告発者トゥベロ自身も内戦でカエサルの敵対陣営にいたことを指摘しつつ、リガリウスがアフリカの職務を不本意ながら引き受け、いかに平和を望んでいたかを論じる。
- §6-10
カエサルの慈悲の称賛とトゥベロの矛盾追及
キケロは自らもカエサルに対抗する陣営に属していたことを告白しつつ、カエサルの並外れた慈悲を称え、告発者であるトゥベロ自身もかつて同じ戦場(ファルサロス)でカエサルに牙を剥いていた矛盾を鋭く追及する。
- §11-16
トゥベロの告発の残忍性と恩赦阻止への批判
キケロは、トゥベロの告訴がリガリウスの追放だけでなくその処刑を求める極めて非人道的なものであると非難し、彼らの家族が本来持っているはずの徳性に訴えかけます。また、すでにカエサルによって赦された者たちが、他者に対するカエサルの慈悲を妨げようとする矛盾と、その残忍性を厳しく指弾します。
- §17-21
犯罪という告発への反論と内乱の運命
キケロはトゥベロがリガリウスの行為を「犯罪」と呼んだことを批判し、それが内乱による運命的な災厄であったこと、またトゥベロ自身もカエサルに対抗する立場にいたことを指摘し、相手の矛盾を突く。
- §22-27
トゥベロのアフリカ到着とポンペイウスへの合流
キケロは、トゥベロがアフリカに到着した際の経緯を説明し、トゥベロ側の「属州への進入を拒まれた」という不満の矛盾を指摘するとともに、カエサルに対する忠誠心ではなくポンペイウスの陣営に戻ったトゥベロの行動の矛盾を暴く。
- §28-32
カエサルの寛大さへの嘆願と親族の哀願
キケロは内戦における勝利への熱望を共有していたことを認めつつ、今回は通常の裁判とは異なり、カエサルの寛大さに直接訴えかける「父への嘆願」の形をとっていることを宣言し、リガリウスの助命を求めて周囲のサビニ人や親族の悲しみを提示する。
- §33-38
兄弟たちの嘆願とカエサルの寛大さへの最後の訴え
キケロはカエサルに対し、リガリウスの兄弟たちや支持者たちの嘆願に留意するよう求め、かつてマルケッルスを赦免したようにリガリウスにも慈悲を施すよう促し、神に近づく最高の徳としての寛大さを称賛して演説を結ぶ。
