底本
Cicero. M. Tulli Ciceronis Orationes, Vol. VI. Clark, Albert Curtis, editor. Oxford: Clarendon Press, 1918.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA (Perseus の利用条件による)
元ファイル: urn:cts:latinLit:phi0474.phi032.perseus-lat2
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翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
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反映した修正(日本語訳と原文):AI校閲 2 件
最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
本書は、ポンペイウス派に加わり亡命していたマルケッルスの赦免を決定したカエサルに対し、キケロが元老院において自らの長きにわたる沈黙を破って行った感謝と賛辞の演説です。キケロは、カエサルのこの寛大な処置を、武功をも凌駕する不滅の栄光として称賛します。演説の中でキケロは、内乱期における敵対者たちの行動が犯罪ではなく誤解によるものであったと擁護し、カエサルの温和な政治姿勢を高く評価します。さらに、内乱によって荒廃したローマの法秩序や社会制度を再建するためには、カエサルの存在とその安全が不可欠であることを説きます。カエサルの「自分は十分に生きた」という言葉に対し、国家の再建が達成されるまではまだ不十分であると反論し、真の栄光と後世の公正な評価は国家の安定をもたらすことによってのみ得られると主張します。最後にキケロは、カエサルの安全に対する元老院一同の絶対的な支持と忠誠を誓い、感謝の念を述べて演説を締めくくります。
目次
6 チャンク
引用方式:section
- §1-6
沈黙の破棄とカエサルの赦免への称賛
キケロは自らの長きにわたる沈黙を破り、カエサルによるマルケッルスの赦免を最大級の言葉で称賛し、これが元老院の権威を重んじるカエサルの英断であり、自らの活動の再開と国家への希望の光であることを表明する。
- §7-12
軍功を超越するカエサルの寛大さの栄光
カエサルがマルケッルスを許したことで獲得した寛大さの栄光は、部下や「運命」と共有されない彼独自のものであり、それは通常の軍功をも超越して不滅であり、彼が勝利そのものにすら打ち勝ったことを称賛する。
- §13-18
内乱参加者への寛典と平和への願い
カエサルが内乱の参加者たちを犯罪ではなく過ちによるものとみなし、寛大に処したことを称賛する。著者は、自分やマルケッルスが常に平和を望んでいたことを明かし、カエサルの治世の温和さを、敵陣営が勝利した場合に予想された凄惨な報復と対比させて際立たせる。
- §19-24
カエサルの安全と国家秩序の再建要請
カエサルのこれまでの寛大さを称えつつ、カエサルの安全が国家の存続にとって不可欠であることを説き、戦争で荒廃した国家の制度や秩序の再建を彼に強く求める。
- §25-29
国家再建による不滅の栄光と後世の評価
キケロは、カエサルの「十分に生きた」という言葉に対し、国家の再建と不滅の栄光のためには未だ不十分であると反論する。カエサルが自らの知謀によって国家を安定させて初めて、後世からの真に公正な評価を得ることができると説く。
- §30-34
カエサルの安全の誓約とマルケッルス赦免への感謝
キケロは内乱期の混迷とカエサルの寛大さを振り返り、国家の真の再建にはカエサルの安全が不可欠であるとして元老院全員の絶対的な支持と忠誠を誓い、マルケッルスの帰還に対する最大限の感謝を述べて演説を結ぶ。
