底本
Cicero. M. Tulli Ciceronis Orationes, Volume 6. Clark, Albert Curtis, editor. Oxford: Clarendon Press, 1911.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA (Perseus の利用条件による)
元ファイル: urn:cts:latinLit:phi0474.phi007.perseus-lat2
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翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
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最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
本作は、ガリア属州総督時代の横領罪に問われたマルクス・フォンテイウスを弁護するために、マルクス・トゥッリウス・キケロがローマの法廷で行った演説である。キケロはまず、フォンテイウスの過去の会計記録が極めて正確であることを示し、告発側の証拠の信憑性の低さを鋭く追及する。そして、被告を支持するローマ市民や忠実な同盟都市マッシリアに対し、告発を行っているのは敵対的な現地ガリア人部族にすぎないことを対比させる。さらに、ガリア人の野蛮な風習や不信心さを挙げて彼らの証言の信頼性を否定し、ワイン税などをめぐる疑惑は捏造であると主張する。最後に、フォンテイウスの軍事指導者としての有能さと高潔さを称え、ヴェスタの処女(ウェスタリス)である彼の姉妹らの哀願を示しながら、裁判官たちにガリア人の脅迫に屈せず無罪判決を下すよう強く呼びかける。
目次
9 チャンク
引用方式:section
- §1-8
フォンテイウスの財務官時代の会計記録と告発の論駁
キケロはガリア総督時代の横領罪で告発されたフォンテイウスを弁護し、彼の財務官(クァエストル)時代の公私にわたる会計記録の正確性と一貫性を論証することで無罪を主張するとともに、告発側の証人や証拠の信憑性の低さを鋭く追及する。
- §9-15
ガリアの住民構成と告発者たちの敵対性
フォンテイウスが統治したガリア属州の複雑な住民構成を説明し、ローマ市民や忠実な同盟者であるマッシリアなどが被告の無罪を求めているのに対し、不忠実で敵対的な現地部族だけが告発を行っていることを強調して、裁判官に公正な判断を求める。
- §16-19
ローマ人証人の証言と道路整備およびワイン税の弁護
キケロは、フォンテイウスの統治に同行した多数のローマ人証人の権威を挙げてガリア人の告発に反論し、道路建設の管理は使節たちに委ねられていたこと、およびワイン通行税の容疑が事実無根であることを論じる。
- §20-24
ワイン税の告発の捏造と証人の信憑性に関する歴史的先例
キケロはワイン通行税の告発が敵の捏造によるものだと喝破し、裁判官は証人の信憑性を慎重に吟味すべきだと説く。さらに過去の著名なローマ人たちの証言さえも、敵意の嫌疑によって退けられた歴史的先例を挙げる。
- §25-29
ガリア人証人の敵意とインドゥティオマールスの傲慢
キケロは、過去の優秀な裁判官たちが証人の信憑性を厳格に精査した姿勢を引き合いに出し、ガリア人たちの敵意に満ちた証言を無批判に信じるべきではないと主張する。特にガリア人の指導者インドゥティオマールスが、謙虚な言葉を排除して傲慢にもすべてを「知っている」と断言していることを厳しく批判する。
- §30-34
ガリア人の不信心と証言の無効性
キケロはガリア人の不信心と野蛮な風習(人身御供やかつての神殿略奪など)を挙げ、彼らの証言に信頼性がないことを力説する。さらに、彼らの脅迫に屈して無実のローマ市民フォンテイウスを有罪にすることのないよう、裁判官たちに強く警告する。
- §35-39
ガリア人の脅迫への抵抗と歴史上の告発の先例
キケロはガリア人の脅迫に屈してフォンテイウスを有罪とすることの不名誉を指摘し、過去の偉大なローマ人たちでさえ敵から虚偽の告発を受けた例を挙げ、フォンテイウスの無実を強調する。
- §40-44
フォンテイウスの人徳と有能な軍人の保持の訴え
フォンテイウスの品行の正しさと有能さを強調し、軍事的指導者が不足する国家の現状を鑑みて彼を無罪とし、ローマに留めるべきだと陪審員に懇願する。
- §45-49
諸都市の証言とウェスタの処女である妹の懇願
遠い方のヒスパニア、マッシリア、ナルボ・マルティウス植民市、および属州のローマ市民たちがフォンテイウスの擁護に立ち、さらに彼の家族、特にヴェスタの処女である姉妹が法廷で彼の無罪を懇願していることを示して、裁判官たちにガリア人の脅迫に屈せず彼を救うよう呼びかける。
