底本
Cicero. M. Tulli Ciceronis Orationes, Volume 6. Clark, Albert Curtis, editor. Oxford: Clarendon Press, 1911.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA (Perseus の利用条件による)
元ファイル: urn:cts:latinLit:phi0474.phi006.perseus-lat2
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翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
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反映した修正(日本語訳と原文):表記の統一 8 件・AI校閲 7 件
最終更新:2026-10-12・変更履歴の一覧
要旨
本作は、マルクス・トゥッリウス・キケロが原告マルクス・トゥッリウスの代理人として、隣人プブリウス・ファビウスを相手取り、奴隷殺害に対する損害賠償を求めた法廷弁論である。事の発端は土地の境界をめぐる紛争であり、ファビウスの武装奴隷たちがトゥッリウスの農地を夜襲し、その奴隷たちを無残に殺害した事件である。キケロはまず、武装奴隷による暴力を厳しく取り締まるために設立された特別裁判の趣旨を説明し、本件における被告側の凶行を告発する。続いて、訴訟の争点となる「悪意(ドルス・マルス)」などの法的な文言をめぐり、相手方弁護人の都合の良い解釈をことごとく論破していく。最終的にキケロは、十二表法をはじめとする古来の法や自己防衛の規定を検討し、被告側の行為が正当化できない明白な襲撃であったことを論証する。
目次
7 チャンク
引用方式:chapter
- §1-7
相手方の自白による弁論方針の変更と訴訟争点
キケロは、相手方が犯行を自白したことにより弁護方針を変更しなければならないことを説明し、原告のM. トゥッリウスとの深い絆を理由に彼の名誉を擁護しつつ、相手方の弁護人 L. クィンクティウスに対して演説時間を制限するよう求めた上で、裁判官たちに公式な損害賠償訴訟の争点を示す。
- §8-16
ルクッルスの裁判創設の趣旨と土地紛争の発端
キケロは、武装奴隷による暴力を取り締まるためにマルクス・ルクッルスが特別裁判(4倍額賠償)を設立した歴史的背景と、不法性の証明を省くことで暴力の図々しさを抑制した趣旨を説明する。その後、原告マルクス・トゥッリウスの隣人であるプブリウス・ファビウスが、不当に高額で荒廃した隣地を購入し、境界を巡って紛争を起こした経緯について語り始める。
- §17-26
ファビウスによる農地襲撃の経緯と悪意の認定
ファビウスの武装奴隷たちが、トゥッリウスの農地にある建物を夜襲して彼の奴隷たちを無残に殺害した経緯と、キケロが被告の犯行を「悪意(dolo malo)」から切り離すことはできないと論じる場面。
- §27-32
告示における悪意条項の解釈と相手方論駁
キケロは法務官の告示や訴訟文言における「悪意(dolo malo)」の意義を解説し、この文言は原告の救済を拡大するためのものであり、被告ファビウスを免責するためのものではないと主張して、相手方の弁護を論破する。
- §33-40
襲撃の各行為における悪意と不法条項の否認
キケロは、被告側の弁護士が「悪意」の文言を都合よく解釈していることを論破し、襲撃の個々の行為すべてに悪意が宿っていると主張する。また、「不法に」という文言の追加を却下されたにもかかわらず、それが認められたかのように弁論を続ける相手方の不当性を批判する。
- §41-49
アキリウス法および古法との比較による論駁
キケロは、アキリウス法と本件の暴力事件との違い、および「不法に」という文言が定型文に意図的に加えられなかった理由を論じる。さらに、古来の支払差止命令(インテルディクトゥム)や十二表法などの法律を引き合いに出し、相手方の主張を論破する。
- §50-56
十二表法の正当防衛規定と襲撃の不当性
キケロは十二表法を検討して、夜間の盗賊の殺害や自己防衛に関する規定は今回の殺戮を正当化しないと論じ、ファビウス側が明らかな襲撃者であることを主張します。
