底本
Terence. Publii Terentii Comoediae Sex. Parry, Edward St. John, editor. London: Whittaker and Co.; George Bell, 1857.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA 4.0
元ファイル: urn:cts:latinLit:phi0134.phi003.perseus-lat2
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翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
AI校閲 2026-09-22:検出 Gemini 3.8 Flash/判定 Gemini 3.8 Flash・GPT-6 Astra — 日本語訳 10 件・原文 23 件を修正
AI校閲 2026-10-12:検出 Gemini 3.8 Flash/判定 Claude Opus 5.5 — 日本語訳 1 件を修正
反映した修正(日本語訳と原文):AI校閲 34 件・表記の統一 6 件
日本語訳を再翻訳したチャンク:2
最終更新:2026-10-12・変更履歴の一覧
要旨
本作は、古代ローマの劇作家テレンティウスによるラテン喜劇であり、アテナイを舞台に二人の兄弟が繰り広げる恋愛騒動と、それに伴う大胆な変装劇を描いています。兄のフェイドリアは愛する遊女タイスの懇願を容れて一時的に身を引き、代わりに宦官を彼女に贈ります。一方、弟のカイレアは路上で見かけた美少女に一目惚れし、兄が贈るはずだった「宦官」に変装してタイスの邸宅に侵入し、欲望を遂げてしまいます。この偽宦官の行動を発端に、少女の奪還を目論む傲慢な軍人トラソーとの滑稽な対峙や、奴隷パルメノーを巻き込んだ嘘の告発が重なり、事態は混乱を極めます。しかし最終的には、美少女が市民の娘であることが発覚してカイレアとの結婚が許され、フェイドリアも交えた一同がそれぞれの形で幸福な和解に達します。
目次
20 チャンク
引用方式:line
- §cast-subject_2
登場人物と劇の筋書の概略
フェイドリアは一時的にアテナイを去ることに同意し、その間に彼の弟カイレアが宦官に変装してタイスの家に忍び込み、連れてこられたパンピラを襲う。この事件によって全員が混乱に陥るが、カイレアがパンピラとの結婚を承諾し、最終的に事態の解決へ向かう。
- §subject_3-11
劇の結末と特徴の総括およびプロローグの論争
劇の幸福な解決と文学的特徴についての導入の締めくくり、および古代の上演記録に続き、プロローグでは詩人が自らの劇作態度を説明し、ライバル詩人の誤った翻訳や不合理な裁判場面を厳しく告発する。
- §12-83b
盗作批判への反論とフェイドリアの苦悩
プロローグの後半で、詩人は敵対者が主張する盗作の告訴に対し、古典的な喜劇的類型の借用は正当な伝統であると反論する。続いて本編が始まり、青年フェイドリアが恋人タイスへの愛憎に揺れ動き、奴隷パルメノーが恋愛の非合理性を説いて助言を与える。
- §84-150
タイスの弁明と少女奪還への協力要請
タイスはフェイドリアに対し、昨日締め出したことを言い訳しつつ、かつて自分の妹分として育てられ、現在は一人の軍人の手にある少女を、自分の味方をアテナイに作るために引き取りたいのだと打ち明け、協力を要請する。
- §151-218b
タイスの懇願とフェイドリアの田舎への一時退去
タイスはフェイドリアに数日間だけ軍人の滞在を容認してほしいと懇願し、フェイドリアは不満を抱きつつも最終的に承諾して田舎へ退く。フェイドリアは去り際にパルメノーへ贈り物の引き渡しと、ライバル排除の画策を命じる。
- §219-273c
フェイドリアの出発とグナトーの阿諛術
フェイドリアはタイスのもとを三日間離れると固く誓って田舎へと向かい、残されたパルメノーのもとへ、軍人の居候であるグナトーが美しい娘を連れて現れる。グナトーは、没落した旧友に自分独自の世渡り術である「おべっか使いの技術」を自慢げに語り聞かせた昔話を披露しつつ、タイスの家へと近づく。
- §273d-328b
グナトーの入場とカイレアの一目惚れの告白
グナトーはパルメノーを嘲笑した後、贈り物の少女と共にタイスの邸内へ入る。その後、ピレウスの警備から勝手に離脱した主人の息子カイレアが現れ、路上で見かけた美しい少女に一目惚れしたものの、知人の足止めのせいで見失ってしまったと興奮してパルメノーに訴える。
- §329-385
カイレアの娘追跡の顛末と宦官変装の計略
ケーレアは追いかけていた娘を見失った原因である老人との遭遇をパルメノに話し、パルメノはその娘が隣のタイスの家に贈られたことを告げる。パルメノの思いつきから、ケーレアは宦官に変装してタイスの家に入り込む計略を決意する。
- §386-455
カイレアの変装とトラソーの自慢話
パルメノとケーレアは計画の実行を決め、ケーレアは宦官に変装するため家に入る。一方、軍人トラソーが太鼓持ちグナトーとともに登場し、かつての軍功や宴会での機知を自慢した後、姿を現したタイスに声をかける。
- §456-522
パルメノーの贈り物とクレメスの疑念
パエドリアの奴隷パルメノーが贈り物(エチオピアの少女と若く美しい宦官)をタイスに届ける。タイスとトラソーが食事に出かける一方、現れたクレメスは、タイスが自分に急に親しく接し、妹の素性について探りを入れてきたことに不信感を抱く独白を行う。
- §523-576b
クレメスの出発と歓喜するカイレアの告白
クレメスはタイスの真意に不信感を抱きつつも彼女の要請に応じて向かう。一方、アンティポーは約束の会食に来ない幹事のカイレアを探す途中、宦官の服を着て狂喜するカイレアと出会い、宦官に化けて美少女に接近した顛末を聞く。
- §576c-630
カイレアの告白と宴席での騒動の報告
カイレアはアンティポーに、タイスの家で宦官に化けて乙女と二人きりになった際、ダナエーの壁画に触発されて欲望を遂げた顛末を語る。一方、解放奴隷のピュティアスは宴席でタイスと軍人との間に起こった不穏な騒動を伝える。
- §631-691c
パエドリアの帰還と宦官ドーレスの捕縛
パエドリアは田舎へ行くのをやめて引き返し、家でピュティアスたちが大騒ぎしているのに遭遇する。ピュティアスから、贈られた宦官が乙女を凌辱して逃亡したと聞かされ、パエドリアは本物の宦官ドーレスを捕まえるが、ピュティアスはそれが犯人の宦官ではないと主張する。
- §692-743
パエドリアの尋問とタアイスの帰還
パエドリアは宦官ドルスを問い詰め、カエレアが彼の服を借りてタアイスの家に侵入した事実を知る。一方でタアイスが戻り、クレメスと合流して軍人トラソーとの対立に備える。
- §744-794
タアイスによる妹の返還とトラソー軍の襲来
タイスはクレメスに、預かっている乙女が彼の妹であることを告げ、彼女を保護して連れ去ろうとする軍人トラソーの軍勢に立ち向かうよう促す。臆病なクレメスを励ましながら、タイスは証拠の品を準備させ、トラソーとその寄食者グナトーらの滑稽な包囲軍と対峙する。
- §794b-853
トラソーの撤退とタアイスによるカエレアの拘束
スラトーとクレメスの一触即発の対峙の後、スラトー軍は一時撤退する。直後にタアイスは、預けた乙女が宦官に変装したカエレアに陵辱された事実を知り、逃亡中の彼を見つけ出す。
- §853b-922
タアイスによるカエレアの許しとピュティアスの復讐心
カエレアの犯行がタアイスに露見するが、彼は彼女への愛を訴えて許しを請い、タアイスも彼を受け入れる。ピュティアスは抗議しつつも、クレメスと乳母を中に案内し、パルメノーへの復讐を誓う。
- §923-982c
ピュティアスの嘘とパルメノーのラケースへの告発
パルメノーが独り言で手柄を自慢しているところへピュティアスが現れ、カエレアが姦通者として縛られて処罰されようとしているという嘘で彼を脅す。パルメノーは狼狽し、ちょうど田舎から戻ってきた主人のラケースにすべてを暴露し始める。
- §983-1039c
ラケースの怒りの突入とカエレアの歓喜
老人はパイドリアが宦官を購入したこと、さらにカイレアが姦通者として捕らえられたことを聞いて怒り狂い、家の中に押し入る。残されたパルメノーはピュティアスに嘲笑されるが、そこへすべての問題が解決し幸せの絶頂にあるカイレアが現れる。
- §1040-1093b
グナトーによるトラソー受け入れの仲介
カイレアとパイドリアがそれぞれの恋と幸運の成就を喜ぶ中、寄食者グナトーはパトロンの軍人トラソーを利用し、彼らの共同の資金源かつ道化役として受け入れる取引を取りまとめる。
