底本
Plautus. Plauti Comoediae, Volume 1. Leo, Friedrich, editor. Berlin: Weidmann, 1895.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA 4.0
元ファイル: urn:cts:latinLit:phi0119.phi004.perseus-lat2
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翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
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反映した修正(日本語訳と原文):AI校閲 15 件
最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
本作は、同名の遊女姉妹「バッキス」を巡る、若者たちの恋と狡猾な奴隷の策略を描いた古代ローマの喜劇です。二人の青年ピストクレヌスとムネシロクスはそれぞれ姉妹の一人に恋をしますが、彼らの恋を成就させるためには大金が必要でした。そこでムネシロクスの機知に富む奴隷クリュサロスが立ち上がり、言葉巧みに主人の厳格な父親ニコブールスを騙して、二度にわたり大金を巻き上げます。一度は誤解から計画が頓挫しかけるものの、クリュサロスは自らの知略をトロイア戦争の英雄になぞらえながら見事に老人の目を欺きます。最終的に、騙されたことに気づいた父親たちが激怒して遊女の家へ乗り込みますが、彼女たちの魅力に抗えず、自らも宴会に加わってしまいます。親子の道徳観が逆転する滑稽な大団円で物語は幕を閉じます。
目次
19 チャンク
引用方式:line
- §1-69
バッキス姉妹によるピストクレヌスの誘惑
自慢げな軍人を巡り、同名の遊女姉妹バッキスたちが青年ピストクレヌスを誘惑し、自らの利益と保身のために協力させようとする。
- §70-124
ピストクレヌスの降服とリュドゥスの叱責
ピストクレールスは遊女バッキスの誘惑に屈して自らを捧げることを決意し、宴会の買い出しに出かけようとするが、そこへ教育係のリュドゥスが現れて彼の放蕩と快楽の神々への傾倒を激しく非難する。
- §125-196
リュドゥスとの口論とクリュサロスの帰還
ピストクレールスと指導係リュドゥスの口論が激化する中、エペソスから帰国した奴隷クリュサロスが登場し、ピストクレールスと再会してムネシロクスの安否を伝える。
- §197-274
クリュサロスの計略とニコブールスへの虚偽報告
クリュサロスはピストクレールスから、ムネシロクスのためにバッキスを見つけたこと、そしてその恋路には金が必要であることを聞く。その後、現れた主人のニコブールスに対し、クリュサロスはエペソスの歓待者から金を回収したと嘘を交えて報告する。
- §274b-350
クリュサロスの神殿預金話とニコブールスの出航決意
クリュサロスは、海賊船による妨害を避けるために金をエペソスのディアナ神殿の神官テオティムスに預けたという作り話をニコブールスに信じ込ませ、金を回収するために老人が再び航海に出るよう仕向ける。
- §351-412
クリュサロスの独白とリュドゥスによる父の案内
クリュサルスは老人をだましてエペソスに向かわせ、残された自分たちが金を贅沢に使い大騒ぎを企む計画について独白する。一方、家庭教師のリュドゥスはピストクレールスの放蕩に憤慨し、父親のピロクセヌスをバッキスの家へと連れて行く。
- §413-474
リュドゥスの嘆きとムネシロクスの友人擁護
家庭教師リュドゥスはピストクレールスの放蕩を嘆き、昔に比べて最近の若者や家庭教育がいかに堕落したかをフィロクセヌスに訴える。それを陰から聞いていたムネシロクスが姿を現し、友であるピストクレールスを擁護する。
- §475-535b
ムネシロクスの絶望と黄金返還の決意
リュドゥスがピストクレールスの放蕩を糾弾し、絶望したムネシロクスは父親に黄金を返還してバッキスに復讐することを誓う。その後、黄金を返したムネシロクスとピストクレールスが遭遇する。
- §535c-595
二人のバッキスと誤解の解消
ムネシロクスはピストクレールスを裏切り者と非難するが、彼の探していたバッキスには同名の姉妹がいると告げられ、誤解が解けていく。一方で、軍人の使いの寄食者が金の返還か同行かを求めてバッキスの家を訪ね、ピストクレールスと激しく衝突する。
- §596-662
ムネシロクスの後悔とクリュサールスの凱旋
ピストクレールスと軍人の寄食者による応酬の後、落胆したムネシロクスが現れ、父親にすべての金を返してしまったことをピストクレールスに告白して絶望する。そこへ奴隷のクリュサールスが、老人を騙して大金を手に入れたことを誇りながら意気揚々と登場する。
- §663-721b
黄金の返還告白とクリュサールスの新たな策略
ムネシロクスは誤解から黄金をすべて父親に返してしまったことを後悔し、奴隷のクリュサールスに告白する。クリュサールスは激怒しつつも、再び主人の父親を騙して金を奪う新たな策略を練り始める。
- §721c-785b
偽りの手紙の口述とニコブールスへの接近
クリュサールスは、父親が筆跡を信用するようにムネシロクスに手紙を自筆させ、自分を縛り上げるよう求める偽の手紙を完成させる。その後、クリュサールスは怒り狂った老人ニコブールスに接近し、罠を仕掛けようとする。
- §786-858
偽の手紙の引き渡しとクリュサールスの逆転劇
クリュサールスは偽の手紙をニコブールスに渡し、策略通りに自身を縛らせるが、直後に老人の息子が遊女と同席する現場を見せ、怒り狂う軍人の登場を利用して老人の動揺を誘い、形勢を逆転させる。
- §859-929
軍人との和解の偽装とクリュサールスの自賛
乱入した軍人がムネシロクスへの復讐を叫び、窮地に陥ったニコブールスはクリュサールスに和解を懇願する。クリュサールスは仲介を装って二百金貨を騙し取ることに成功し、自身の知略をトロイア戦争の英雄たちの偉業になぞらえて高らかに誇る。
- §930-983
トロイア攻略の比喩とニコブールスへの偽報告
クリュサールスは、自分が行う主人ニコブールスへの詐欺をギリシア軍によるトロイア攻略になぞらえて長々と独白する。その後、彼はニコブールスに会い、息子をひどく叱って泣かせたと嘘の報告をする。
- §984-1046
偽の手紙の朗読と金貨の要求
ニコブールスはムネシロクスからの手紙をクリュサールスとともに読み、そこで息子が軍人の妻との過ちを告白して再び二百金貨を要求していることを知る。クリュサールスは助言を避けるふりをしながらも、金を支払うよう老人に促す。次の場面ではどうなるでしょうか?
- §1047-1104
金の引き渡しとニコブールスの発覚
騙されたことに気づいていないニコブルスは、息子を救うために金を家に持ちに入り、クリュサールスはまんまと金を手に入れて立ち去る。その後、ニコブルスは軍人から真実を聞かされ、自分が奴隷に完全に騙されて大金を巻き上げられたことに気づき、怒りと恥辱に震える。
- §1105-1161d
二人の父親の憤怒とバッキス姉妹の誘惑
ニコーブーロスとピロクセノスは互いの惨めな境遇が息子たちの放蕩に起因することを確信し、怒りを露わにしながらバッキス姉妹の家を訪れる。バッキス姉妹は老人二人を羊に喩えて嘲弄しつつ、家の中に誘い込むための作戦を立て、ピロクセノスは早くも誘惑に屈し始める。
- §1162-1211
老父たちの屈服と大団円
バッキス姉妹の甘い言葉に屈した老人二人は、失った金の半分を取り戻すことと引き換えに息子たちを許し、自らも宴会に加わる。最後に、父親が息子の恋のライバルになるという不道徳さを皮肉りつつ、観客に拍手を求めて劇が幕を閉じる。
